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2009-06-23 Tue
「世の中で一番嫌いなものは?」聞かれたら、「雨です。」と答える可能性が高い。
しかしながら、旅行から東京へ戻ってきたら、季節は梅雨。
当然ながら、毎日毎日、雨か豪雨か強い湿気の日々が続いている。
思い起こせば、年頃になりお化粧を始めた頃から、ず~っと雨や湿度の高い日の朝は、気持ちが憂鬱になる。
いや、朝だけではない。
この時期、午後になってから雨が降り始める日だって多いが、そういう時もかなり憂鬱になる。
私の髪の毛はやや天然パーマが混ざっていて、細い髪の毛と太い髪の毛がミックスしたような感じなのだ。
だから、雨や湿気の強い日だと、髪の毛が水分を吸収して、どんなに綺麗にブローで仕上げても、髪の毛がモワーっと広がり、根元がつぶれ、使い古下した掃除用具の"モップ"のようになってしまう。
一言でいうと"ダサイ頭のしょぼい人"という感じだ。
だから、雨が降ってもビクともしない、さらさらストレートヘアーの女性の髪に、心の底から憧れてきた。
過去、今に至るまで、この髪質によってどんなに悲しい?目に会ってきた事か。
今でも憶えている。
関西にある、ある企業の研修に行ったときのことだ。
2日間の研修だったのだが、運悪く2日目は雨となってしまった。
朝起きて、「まずい...」と思ったが、あいにく宿泊しているホテルには、"雨の日用"の"髪の毛対策"の準備をしてこなかった。
仕方ないと思い、必死に髪の毛に手持ちのムースをつけてブローし、身支度を整え、タクシーに乗る時も降りる時も、十分に注意を払い、雨に濡れないようにした。
しかし、、、、豪雨である。
どんなに頑張って傘で雨を防いでも、湿気は既に、空気にも建物の廊下にも研修室にもトイレにも充満していて、まるで湿度95%のような状態。
どうやっても逃げ場はない。
もうこうなったら覚悟を決めて、どんな髪の毛になろうと、受け入れるしかないと思った。(半ばやけくそである。)
"髪の毛にあまりにも拘るのは自意識過剰な証拠で、私もまだまだ修行が足りないんだわ。私が思う以上に他の人は私の髪の毛のことなんて、気にかけていないはず。"と自らに言いきかせ、切腹の前のような気持ちで研修室に座っていた。(大げさですが)
しばらくして、その企業の人事の課長が担当者と共に、研修室に入ってこられた。
昨日は来られなかったので、時間を少し作って挨拶のため、わざわざ来られたのだと思う。
私は椅子から立ち上がり、丁重に「おはようございます。ご無沙汰しています。」と課長と担当者の二人にお辞儀をして挨拶を交わした。
とその直後である。私が顔を上げると、人事課長がこらえ切れずに笑い声を立てている...。
私の髪の毛を見て、「ヒヒヒ、、、」と笑っているではないか。
そして、「坂東さん、いや~、何だか浜に打ち上げられた、人魚みたいな頭になってますね。」と笑って目尻を下げながら、関西弁のイントネーションで
言った。
私は思わず回答に詰まってしまった。
なぜなら課長の言葉は、あまりにも的を得ていてドンピシャだったからである。
"人魚"のくだりは、課長なりの女性に対する遠慮と優しさであろうと察する。
確かに私のその時の髪の毛の状態は、既に使い古したモップを通り越して、あまりある湿気のために、ペッタリとおでこと頭部に髪の毛が張り付き(多分ムースを使いすぎたせい)、なぜか髪の毛を洗った直後のようになっていた。
しかも毛束と毛束の間には、地肌が筋になって白く見えている。スイカのような頭だ。
その日の研修中は、とて~も気さくな人柄に変身して、冗談を飛ばしたり、やたらニコニコして対応したと記憶している。
参加者の人たちは、絶対に"変な頭の人"と思っているだろうから、この際笑いを取るしかないと思ったのだ。
[:雨:][:雨:]
そして、今に至るまで、沢山のことにトライしてきた。
梅雨時期になると、
髪の毛が痛まないというストレートパーマにトライし、なぜか顔がまん丸く見えてしまったこともある。
ハードスプレーを髪の毛全体にかけてガチガチに固め、頭をヘルメット状態にしたこともある。(びくともしない)
昔懐かしいソバージュ・パーマをかけて、ウネウネのヘアスタイルもやった。
イベントや会食のある日は、バッグの中にカーラーとドライヤーをバッグの中に入れて持ち歩くこともした。
本当にこの梅雨の時期は、涙ぐましい努力を日々続けてきたと思う。
どんな時だって、人前に出るなら、少しでも女性として美しくありたいと思いますからね。
しかし、人間何度もトライ&エラーを続けていると、新しい解決策を見出すものである。
最近、新しい解決策を見出したのである。
案外自分では気に入っている。
それはオイルを使うこと。(ツバキ油、もしくはオリーブ油)
昔から使われているものだが、盲点だった。ドラッグ・ストアの棚に陳列されているのを見かけたことがあるが、古臭くて近寄らなかったのだ。
これまで使用したことがなかったのだが、使ってビックリ。少ない量のオイルを使うと、髪の毛のスタイルを維持しながら、広がりを押さえてくれる。若干パーマをかけたような感じになるが、髪の毛にツヤもでる。
ハードタイプのスプレーは、実は案外髪の毛を痛めるのだが、このオイルの場合は逆で、使えばツヤだけではなく、髪の毛の養分となり栄養を与えてくれるし、1日中ヘアスタイルも持つ。
出来上がりは100点満点とはいかないが、70点、つまり合格点は出せる感じである。
人間、やっぱり、あきらめてはいけない。何事も努力が必要。
それにしても、早く梅雨が終って欲しいものである。
by bandoh
徒然なるままに : 19:00 : comments (x) : trackback (x)
2009-06-15 Mon
「ナパで飲むワインは、どうして東京で買って飲むワインより美味しいのか?」
ナパで買ったワインを東京で飲んでも美味しい。
時々自宅に人を招いて、ナパで買ったワインを飲む機会があるが、友人も同じように感じるようだ。
ワインに混入する安定剤とか、輸送の時のコンディションとか諸々のことが影響しているのだろうか。
誰か詳しい人がいたら、教えて欲しいと感じる。
それにしても、ワイナリー巡りは楽しい。
元々は、日本の飲料メーカーのSに勤務する友人夫妻がオーストラリアに転勤している時に、彼等を訪ねてシドニーへ遊びに行った事があり、その時に"ハンターバレー"のワイナリー巡りをしたのが、一番最初だった。
その時テイスティングし購入した"マウント・ビュー・エステート"の1987年のシャルドネがすっかり気に入り、後にワイナリーに連絡を取り、同じ87年のマウント・ヴュー・エステートのシャルドネを、1ケース自宅へ航空便で郵送して貰った。
マウント・ビューのオーナーは、大変気が利くタイプの人でかつワイン愛好家を育てる情熱を持っていたのだろうと思う。
87年のシャルドネの中に、1本だけ1991年のシャルドネを加えてくれた。
事前にFAXでのやり取りで、「年代による気候などの違いや、時間がワインに与える変化を、これで体験し学習してみて下さい」とあり、面白いと思って1本だけ91年のシャルドネを入れることにしたのだった。
飲み比べてみると、87年と91年では、同じワインと思えなかった。
「ワイナリー巡りが楽しいのは、沢山の理由がある。」
ワイン畑を中心とした牧歌的な景色や自然と触れるのも楽しいし、何より、それぞれの造り手の情熱と努力によって造られるワインは、芸術品のようでテイスティングの機会をとても貴重に感じられる。何かしらありがたい感じがするのだ。
また、ナパのようなニューワールドのワイナリーでは、夢とサクセス・ドリーム、又はプレステージを求めてワイン造りに挑戦している人たちのエネルギーや心意気が溢れているように感じる。そのエネルギーが私たちゲストを高揚させるのかもしれない。
来年は、このナパで毎年定例となっている「ビジョン&ミッションメイキングセミナー」を開催したい。
サンフランシスコ空港へ戻る途中 ベイブリッジ
by bandoh
旅行 : 02:23 : comments (x) : trackback (x)
2009-06-14 Sun
セント・ヘレナ地区からルーサーフォード地区に南下して、"フルーリー"へ向かう。
ここはツアーガイドの推薦のワイナリー。地図にも記載されていないブティック・ワイナリーである。
樽から直接、ワインを飲ませて貰うことが出来るらしい。
"FlEURY Estate Winery"
到着してみると、他のワイナリーとは全く違う雰囲気を持つところである。
建物や敷地全体の造作は、とてもシンプルでミニマムな様式である。
オーナーのブライアン・フルーリーは、10年前にナパに移ってきた元ビジネスマンで、ワイン好きが嵩じてコレクターとなり、遂にはワイナリーを持つまでに至ったらしい。今では、ルーサーフォード地区だけではなくセント・ヘレナ地区と、ハウェル・マウンテン地区にも畑を持っている。
このオーナー、日本の花王などの大手企業と一緒に働いていたこともあるそうです。
建物の中は巨大テントのようになっていて、中央にワイン樽がズラリと並んでいる。
奥に進むと、横並びで小テントが3つほどあり、そこではプライベートを守りながら、座ってテイスティングが出来るようになっている。
ふと目をやると、壁にはビビッドな色を使ったモダンアートが飾られている。
何となく、ワイナリーというよりは、NYのSOHOの誰かのアトリエにでもいるような気分にもなる。
ツアーガイドのランディ
敷地の外も通常のワイナリーのように、草花を植えているわけでもなく、超シンプルにミニマムに椅子とテントが置かれている。
新しくて斬新という意味では、これまで周ったワイナリーの中では突出している。
07年シャルドネからスタートして、07年ピノ、05年ZCAB(ジンファンデルとカベルネS)、06年ナパと05年ハウェル・マウンテンのカベルネ・ソーヴィニヨンをテイスティングした。
う~ん、特徴ある味わいだと思うが、やはりだんだんと舌と脳が麻痺し始めている..。
しかしながら、テイスティングシートを見ると、カルネロスの07年のピノ・ノアールはたったの200ケースしか作っていないようだ。
やはりピノは試しに購入して、開けるのを待ってみようと思い購入。
立ち上がろうとした瞬間、スタッフの男性が思い出したように、
「そうだ、すごくこれからの時期に飲みやすいワインがあるんだ。夏の夕暮れ時期に飲むのにピッタリのものがある、ちょっと待って..」と言い、樽から取り出して直接飲ませてくれた、ソーヴィニヨンブランは、かなり美味しかった。
まだ瓶詰めもしていないので、買える状況ではないのだが、フレッシュで香りが良く、持って帰りたいと思ってしまった。
写真はちょっと暗くて分かるづらいが....
オーナーのブライアン
話すとものすごくテンションが高く面白い人で、ハリウッド俳優のジャック・ブラックによく似ている。
ランディに聞くと、「そう、彼ってよくジャック・ブラックに似てるって言われるよ。いい奴なんだよねぇ。」と笑いながら答えた。
東京で販売したいという女性がいるそうで、その女性は東京でワインショップを開くらしい。
場所を聞いたら、東京のロデオドライブのような一等地だという、ものすご~くアバウトな回答が帰ってきた。
一等地って、麻布近辺かしら??もしかしたら、今度東京でここのワインと出会えるかもしれない。
さて次はフルーリーを後にして、同じ地区にある"サリバン"へ向かうことに
"Sullivan Vineyards"
ガイドのランディー推薦のもう1つのブティック・ワイナリーが"サリバン・ヴィンヤーズ"
ここの敷地は印象的だった。近くに池があるせいかもしれないが、建物と敷地の感じが上手く調和している。
蔦に囲まれた建物が何棟かあるが、ここはテイスティングルーム
ここはゲストハウスか、オーナーの自宅?
テイスティングで説明してくれるおじさん
ここでは、06年シャルドネ、06年メリテージのRed Ink(カベルネS、メルロー)、06年メルロー、05年カベルネSを試飲。
もう一人キャッシャーにもオジサンがいるのだが、彼は以前はサテライトに関わる技術職だったそう。
退職して、気候の良いナパで楽しみながらアルバイトでもしているのだろうか。
テイスティングで出しているワインは、いずれもサンフランシスコの地元や海外のコンテストでメダルを取っているものだった。
05年のメルローと06年のカベルネが結構美味しいと感じる。
敷地内は木立が多く日陰を上手く作ってくれる。
蔦も手入れをすると、ここまでなるものか。
イギリスの田舎のコージーな東屋のような雰囲気が漂っている。
うちの旦那さんは、池もあるここのワイナリーの雰囲気が一番気に入ったそうだ。
"サリバン"を更に南下し、オークビル地区にあるケイクブレッドへ
ここは以前から白、赤共にお気に入りのワインがある。
"Cakebread"
ケイクブレッド・セラーの入り口
中にはステンレスタンクがあり、その中央の空間にテイスティングできるテーブルがある。
建物の中の写真
木箱に入ったケイクブレッドの6本セット
いいなぁ~、アメリカに住んでいたら買ってるかもなぁと思う。
ここでのお気に入りは、赤の"Rubaiyat(ルビヤット:日本ではルバイヤート)"と、ソーヴィニヨン・ブランである。
今回テイスティングしても、やはり赤は05年のカベルネよりも07年のルビヤットが美味しいと感じる。
さて、"ケイク・ブレッド"を出た私たちは、最後に"ケラム"へと移動。
当初、前回ケラムでゆっくり滞在出来たことや、時間の関係上、ここを周る予定はなかったのが、最後にどうしても寄りたくなってしまった。
ここもナパの地図には載っていないブティックワイナリーだが、セント・ヘレナ地区のジンファンデル・ロードを入ったところにある。
ここは、私は一番好きなワイナリーの一つでもある。
明るく女性的な気配りがあり、景色も施設のファニチャーを見ていても楽しい。
庭が広く視界を遮るものがないせいか、ここのワイナリーで見る青空が一番ナパでは青く見える。
”Kelham"
いつもは、ワイナリーの門は閉ざされているようだが、前もって予約を入れておいたゲストを入れる仕組みになっている。
門が開くと、まっすぐなドライブウェイがある。
試飲もできる建物だが、中は写真やアートが飾られており、通常テイスティングはテラスで楽しむことになる。
建物の正面には、庭とワイン畑が広がっている。
建物の横には、テイスティングできるテラスがある。
白のテントが緑の中で引き立ち、テラスの雰囲気もぐっと良くなる。
女性のグループでのゲストが結構多い。先ほど、1グループが出たところだ。
オープンのテラス席から見えるワインを詰める工場
建物の中のインテリア
多分こちらはワイン樽か、瓶詰めした後の倉庫?
テイスティングルームとテラスを遠くから撮った写真
こちらのグループもそろそろ引き上げるようだ
先ほどのボトリングの工場
工場の中で、実際に瓶詰めしている風景
??? 前回ここに来たときには見落としていたが、ワイナリーではあまり見かけないマークが...
これってもしかして龍?
???更にこれは、タイでよくみかけるタイプの祠では???
もしかしてオーナーって、アジア地域の仏教とかの信者なのだろうか?
もしかしたら水の神様か何かを祀っているのかもしれない。
オーナーの奥さんのスザーナ
とても明るくて親切な女性です。前回訪れた時にも親切に色々と対応してくれました。
テイスティングのお礼を言って、今年のシャルドネが特に美味しかったという話しをしたら、
「そうなのよ、あなた、今年のシャルドネって、信じられない出来で、、」と興奮気味に話し出した。
しかし、残念ながら、時間が足りなくて、スザーナさんとの会話もそこそこに切り上げて、ホテルに戻ることにした。
私は、ここの白ワインが好きである。シャルドネ、ソーヴィニヨンともに和食にピッタリと合う。
主張が強すぎず、クリスピーでグレープフルーツのような香りがあり、これからの季節にはちょうど良いと感じる。
最後に、ケラムに来れて、良かった....。
by bandoh
旅行 : 19:24 : comments (x) : trackback (x)
2009-06-13 Sat
乾いた空気が気持ち良いナパの翌朝
ホテルでの朝食前に、近所を散歩
ナパでヨーントビル地区は何かと便利
歩いていける距離に、スーパーマーケットや郵便局はあるし、レストランもあるし、そして美味しいパンも売っているビストロ"Bochon"もある。
ここは、トーマス・ケラーが手がけるレストランの一つ、確かニューヨークにもお店があったはず。
前回来た時の夕食は、同じグループの"フレンチ・ランドリー"で食事をした。
朝早くからベーカリーをオープンして、てパンを売っているので、幾つか買ってホテルに戻ることに
そういえば、NYとナパに来てからレストランで毎回パンを食べているが、とても美味しいと感じる。
東京のレストランで出されるパンより、やや固めで、味が深い。
MoMaのレストランの中のバーカウンターで出されたパンも美味しかった。
さて、ホテルに戻ってから、ビュッフェでの朝食をゆっくりと済ませ(旦那さん、多分全てのメニューにトライしたと思います)、ホテル玄関のポーチに腰掛けて待っていると、ワイナリーツアーを頼んだ”マグナム・ツアー"のドライバーがやってきた。
車は黒のセダンを用意してくれている。互いに自己紹介し、周りたいワイナリーなどの相談をして、ツアーをスタート。
ナパ・バレー(谷間 盆地)のワイナリーは周りやすい。
ナパ・バレーは、南北を走る二つの山脈に囲まれた盆地で、この盆地を走る大動脈が"ハイウェイ29号線"である。有名なナパのワイナリーは、この29号線とその東を並行するシルバラードトレイルという、二本の道路沿いにほとんどがずらりと立ち並んでいる。
ナパ郡の総面積51万3000エーカーであるが、うちブドウ畑は約40000エーカーにブドウ畑が作られている。
なので、実際に土地を見た感じでは、農地はほとんどブドウ畑であるといった感じだ。
カベルネ・ソーヴィニヨン種を主に植えているナパの面積を、同じくカベルネ・ソーヴィニヨン種を主に育てているフランスのボルドーと比較すると、ナパはボルドーの1/8ほどの大きさしかないが、この小さなバレーは、とても複雑な土質、地形、そしてマイクロ・クライメート(地域の違いによる細かな気候の区分)を持っている。
例えば、暑く砂漠っぽい気候を持つナパの北部の地区では、カベルネ・ソーヴィニヨン種を作るのに適しているが、デリケートなピノ・ノアール種の場合は適さない。
ナパ南部のカルネロス地区のように、もっと涼しい地域の方が良質なピノ・ノアール種ができる。ナパの場合、南にあるサンパブロ湾からの霧、冷気、風の影響で北部地区(オークヴィルやルーサーフォード)よりも南部地区の方が涼しい。
同じく冷涼なフランスのブルゴーニュで作られるピノ・ノアールと、ナパやソノマのピノノアールとでは、やはり違う。
ブルゴーニュの緯度を見ると、ナパよりも高く、その位置によって冷涼な地域となっているが、日中の日差しはナパよりも弱い。
ナパの場合には、サンパブロ湾から流れ込む霧や冷気によって涼しい地域となっているが、日差しは強い。それが、ナパのワインをブルゴーニュのワインよりも、フルーツ味と香りの強いフルーティなワインに仕上げている。
「ナパのワイナリーの地図」
それぞれのワイナリーの特定地域を示す地区:「アペラシオン」(特有の土質や気候を共有する地区)が記載されている。
赤文字部分で書かれている「アペラシオン」は、北(上部)から"カリストーガ"、"セント・ヘレナ"、"ルーサーフォード"、"オークビル"、"ヨーントビル"、その東隣に"スタッグス・リープ"地区(赤文字ではない)、その南部に"オークノル"(赤文字ではない)がある。
それ以外にも北部東側に、"ハウェル・マウンテン"、そこから東側の細長い"チルズ・バレー"、更にそこから南下した"アトラス・ピーク"
"ヨーントビル"の西側に広がる"マウント・ヴィーダー"、その南部に広がる"カルネロス"地区がある。
カルネロス地区の南には、サンパブロ湾が広がっている。
これらの地区の特性が、それぞれの地域に適したブドウや、ワインを特徴づけている。
そしてその特性を持ったぶどうを、素晴しいワインに仕上げるのは"ワイン・メーカー"と呼ばれる醸造技術を持った人たちである。
特にカリフォルニアでは、"スター・ワインメーカー"と呼ばれる人たちへの注目度と信頼度が抜群に高く、"スクリーミング・イーグル"や、"ハーラン・エステート"など一部の"カルトワイン"は、そういったスター・ワインメーカーの手によって作られている。
だから、スター・ワインメーカーの醸造方法や動向は常に注目されている。
ただし、そういった一部カルトワインの売られ方は、ちょっと独特で、例えば生産量を極端に減らして、販売する際にはオークションにかけて身内でダ~っと先に買い占めてしまうという話しを、あるナパのワイナリーのオーナーから聞いた。
買い占められたワインは、市中に出回らないので1本辺り10万、20万円と値段がつりあがっていくことになる。
なので、これらのワインについては、色々と賛否両論もあるようです。
まずは、ヨーントビルを出てオークビル地区のワイナリーを幾つか訪ねることに。
オークビルで採れるカベルネ・ソーヴィニヨン種は一般にはバランスが絶妙で、天秤にのせたようとも言われる。
ブドウは温度、水分、太陽の絶妙のバランスを受けているからだ。
この地区で作られているワインはナパの"伝統的ワイン"といわれる。それは歴史的な意味の伝統ではなく、ナパの恵まれた風土の特徴をみごとに反映しているという意味である。土地に色々と手を入れて改良する必要はなく、自然に耕すだけで十分という。
そういう意味では、その少し上にあるルーサーフォード地区も同じようなものである。
"Silver Oak Cellars"へ
実は2006年の火災で建物は消失してしまっていて、07年に訪れたときには、建物はまだ建設中で友人と仮設施設でティスティングをした。
私はここのカベルネ・ソーヴィニヨンが好きである。
シルバーオークのワインのラベルに出てくる"アイコン的"なWater Tower
ワインは、2004年のものがリリースされている。
2種類のワインをティスティングした。
1つはナパ・バレーのカベルネ・ソーヴィニヨン種、もう1つはアレキサンダー・バレー(ソノマ郡)のカベルネ・ソーヴィニヨン種
まだ午前10時なので、ワイナリーは空いている。
個人的な好みだと、アレキサンダーバレー(ソノマ郡)の方が美味しいと思う。
ナパの方は複雑な深みがあるが、アレキサンダーバレーの方が果実味が豊かで香りが華やかに広がると感じる。
さて次は、シルバーオークのすぐ側のオーパス・ワンへ
"Opus One Winery"
オーパスワンは、ナパワインにあまり詳しくない旦那さんもよく知っているワイナリーのようだ。
夜の銀座のクラブで、高級ワインとしてしばしば出されるので、高級などこかのワインとしてイメージが残っているそうだ。
ここには、初めてナパを訪れる人のために、話しのタネとして立ち寄るが、私個人はそんなに強くここに愛着を感じていない。
同じように美味しいワインや、もっと個性的なワインが、違った価格で存在しているせいもある。
話してみると、地元の人たちも、私と同じような感想を持っている人たちが多い。
建物は、よく磨きこまれた石灰岩の一枚岩をふんだんに使って作られたシンプルで豪華な建物である。
内装もゴージャスである。ここのワイナリーはフランスの"シャトームートン・ロットチルド"の所有者と"ロバート・モンダビ"が共有で所有していると記憶する。
1979年に最初のワインを発売したが、日本でも突出した人気のある超プレミアムワインである。これは"メリテージ"、つまりボルドー種がブレンドされたワインで、カベルネ・ソーヴィニヨン、カベルネ・フラン、メルロー、マルベック、プティ・ヴェルドなどの中からその年のブドウの出来具合によって適切な品種をブレンドして作っている。
テイスティングルーム カウンター横のコーナー
オーパスワンの畑
よく見るとヨーロッパのぶどう畑によく似ている。
ぶどうの木と木の間が狭く、背が低くよく光があたるように植えられている。
この畑を進むと29号線が走っていて、29号線を挟んで向かいにあるのが、ロバート・モンダビである。
2階のテイスティングルームで出されたワインを、3階のオープンテラスで畑やオークビル地区の景色を見ながら楽しむことも出来る。
オーパスワンのワインは、安定していつ飲んでも美味しいというイメージがあるが、値段が値段なので、ふ~んというのが正直な感想。
私はお気に入りのSilver Oakでリリースされた04年のカベルネS(アレキサンダーバレー)を購入し、旦那さんはオーパスワンでワインを1本購入した。(おみやげ用だそう)
そしてオーパスワンの後は、その先の"ルーサーフォード地区"にある"Cakebread"が近いのだが、予約時間の関係上見学は後にすることに。
"ルーサーフォード地区"も"オークビル地区"と同様に、良いカベルネ・ソーヴィニヨン種を出す地域である。
このバレーの中心あたりで作られるカベルネ・ソーヴィニヨンはしっかりしたボディを持ちながら、香りや味に微妙なバランスが取れていることで特徴づけられている。
ここは、豊かなローム質の深い土質、適切な気温、降水量や太陽光線、高度に恵まれている。つまり、何らかの手を加えて栽培方法や土壌に変化を加える必要がなく、ただ正しく栽培すればよいと言われるほど最高の自然環境に恵まれている。
"Caymus"のスペシャルセレクション、"Beauliew"のプライベート・リザーブ、Niebaum-Coppolaのルビコンなどは、このルーサーフォードのぶどうを使ってできたものである。
南の"オークビル"との違いを探すとすれば、男性的と言われるオークビルのカベルネ・ソーヴィニヨンより、ややエレガントでフルーツ味が濃いと評価されている。ルーサーフォードでは、カベルネ・ソーヴィニヨンが主であるが、他にメルロー、カベルネ・フラン、そして涼しい低地にはシャルドネやソーヴィニヨン・ブランが栽培されている。
シャルドネでは、"Grgich Hills Celler"(ガーギッチ・ヒルズ)が有名。ここのクロアチア出身のマイク・ガーギッチは、カリフォルニアワインが台頭している時期に、世界にその実力を示した偉大なワイン・メーカーである。
ザグレブ大学で醸造学を学んだ後、カリフォルニアに渡りボーリューの技術者、ロバート・モンダビの主席醸造責任者となっている。そして、"シャトー・モンテリーナ"で作った彼のシャルドネンが、1976年のパリ世界博での「ブラインド・ティスティング」で最高のシャルドネに選ばれた。しかも、そのとき、カベルネ・ソーヴィニヨンでは、同じくナパの"Stag's Leap Wine Cellers"が優勝してしまったため、ナパワインは世界的な名声を得ていくことになった。
当時、フランス側にはアメリカ産のワインを軽んじ、こうした場であらためて、フランスのワインとの格の違いを見せ付けようという意図もあったと思われるが、フランスのワイン専門家たちは並みいるボルドー、ブルゴーニュの名門ワインではなく、ナパのワインを選んだのである。
ワインの専門家達が自信を持って選んだボトルの覆いが取られると、最高級のボルドーまたはブルゴーニュと確信したはずのワインはナパのワインだった。
その後も81年に行われた、カナダのワールド・テイスティング・コンテストでも、ナパから出されたカベルネ・ソーヴィニヨンが、フランスの5大シャトー(ラトゥール、ラフィット、マルゴー、シャトー・オーブリオン、ムートン)を破って一位から五位を占めてしまった。
さて、"ルーサー・フォード地区"を更に北上し、"セント・ヘレナ地区"へと進みアージャー・マルツッチを目指す。
ところで、私もルーサーフォード地区のガーギッチ・ヒルズのシャルドネを大変美味しいと思うが、もう少し樽の香りが弱く繊細な感じがするセント・ヘレナにある"Kelam"などのシャルドネの方が好みである。すごくコクがあってどっしりして樽香の強いシャルドネだと、食事の前やスタートの時に重過ぎると感じる。
"セント・ヘレナ"は歴史的ワイナリーが多い。"ベリンジャー"、"クルッグ"、"ルイス・マーティニ"などが開いたワイナリーがそのまま残っている。
一方で、新しくは"Heitz"、"Duckhorn"、"Spottswoode"などがある。
セント・ヘレナは、町の西側を除いて、その他の地域よりは暖かい「地域Ⅲ」に分類される。低い小川のあたりは素晴しい"シャルドネ"、バレーに西側にあたる丘の斜面は、"カベルネ・ソーヴィニヨン"、東側の丘の斜面は熱い西日を受けて"ジンファンデル"や"シラー"に適した環境となっている。
まずは、"アージャー・マルツッチ"へ
"Arger Marutucci"
ここは家族で経営するワイナリーで、日本ではネットで購入できるとは思うが市販されてはいない。
小さい家族経営のワイナリーである。
私たちを迎えたくれたオーナーとセールス担当者は、
このプールサイドのテーブルで、数種類のワインを詳しく説明してくれた。
ワイン作りは、全ては「理念」から始まると説明するセールス担当のおじさん
ここのワイナリーは名前で分かる通り、イタリア系をルーツとしている。
イタリア人が愛するワインは料理の邪魔をしない主張しすぎないワインであり、フランス人が愛するワインは主張が強く、料理以上に存在感を示すものであると。
つまり、我々が目指すワインは、バランスの取れた、料理をより引き立てる素晴しいワインであると。
だから、オーク香の強いアメリカン・オークを使わずに、フレンチ・オークでワインを熟成させる。
彼等が作るピノ・ノアールは、カルネロス地区で栽培されているものである。
また、彼はなぜ、ピノ・ノアールにはカルネロス地区が適しているかについて、ナパのマイクロ・クライメートの話しを交えて分かりやすく説明してくれる。
試飲した中では、ピノ・ノアールはブラック・チェリーとプラムの香りを含み繊細な感じがした。
もともと私はここのメリテージワイン、ODYSSEYが好きなので、少し考えて2つを買うことに。
写真左から二人目がオーナー一族(息子:次男?)である。
最近、息子さんは結婚したようで、彼の奥さんは中庭でクリスタルストーンを使ったアクセサリーを作成し販売している。
ワイナリーを経営する人と結婚して、自分の好きな仕事を、同じ場所で出来るなんて、なかなかいい人生ですね。
ここで飼われている猫
私たちがアクセサリーを眺めていると、近づいてきてすぐ側の木にガリガリと登っていった。
「やばいなぁ~」と思いながら見ていると、案の定、上の木の枝の辺りまで上ったら、降りられなくなって固まっている。
猫って、どうして自分で降りられないくせに木に登るんだろうか?
猫の木登りを初めて見た旦那さんは、ビックリして親切に、猫に引っ掻かれながらも木から下ろしてあげていた。
それで気を許したのか、猫は私たちの足元で寝そべっている。
さて、丁寧な説明と説明にお礼を述べて次なる場所へ移動
同じルーサーフォード地区の"ハイッツ・セラー"
"Heitz Celler"
ジョー・ハイッツが1965年にカベルネ・ソーヴィニヨンを使った最初のヴィンテージを発表。
翌年から"オークビル地区"にある「マーサズ・ビニヤード」のブドウを使ったカベルネ・ソーヴィニヨンを作る機会を与えられて、1968年と1970年のヴィンテージが、ハイッツとジョー・ハイッツを世界中に知らしめた。
現在は、ワイナリー以外に、「ワイン・メーカー(人)」がよりスターになる傾向があるが、ハイッツの歴史は、「スター・ワインメーカー」の誕生と、ブドウの畑を特定する「シングル・ビニヤード(地区より細かい特定畑)」を表示するトレンドの始まりと重なっている。
「マーサズ・ビニヤード」は、オークビル地区の西側にある小さな畑(34エーカー)であるが、ハイッツ・セラーだけにブドウを販売している。
そしてこのブドウを使って、年間約4000ケースのカベルネ・ソーヴィニヨンが作られている。
同時に、ハイッツではシャルドネも作っているが(結構美味しいそして比較的安価)、何といってもその地位を築いてきたのは、カベルネ・ソーヴィニヨンである。なかでもマーサズ・ビニヤードを表示する68年、69年、74年のヴィンテージが、カリフォルニアで作られた最高のワインとも言われている。
深いカラント、ミントとユーカリの香り、熟成とともに味わいが増すこのスタイルは、長らくカリフォルニアのカベルネ・ソーヴィニヨンのモデルとなった。
2007年に偶然、マーサズ・ヴィニヤードのヴィンテージワイン(確か70年代だった)を、レストラン「REDD」で、隣のカウンターに座るワイナリーオーナーからおすそ分けして貰い、飲んだことがある。(女同士で来ると、嬉しいハップニングがある)本当にミンティで驚いた。
マーサズ・ビニヤードのすぐ隣には、古いユーカリの木の森がみっしりと茂っていて、そこから漂う香りがワインにミントでユーカリな香りをプレゼントしている。
そのユーカリの下に座ると、天然のフレッシュなアロマテラピー効果でずっと座っていたくなるそう。(行ってみたい)
07年にお裾分けして貰ったハイッツのマーサズ・ヴィニヤードのヴィンテージワインの写真
テイスティング・コーナー
建物の裏にあるワイン畑、とても綺麗。
ここまで試飲していると、正直少しクラクラしてきます。
少しポーチで休んだ後、私たちは再びUターンして”ルーサーフォード地区"へ向かうことに。
次に向かうはナパの地図には掲載されていない"Fleury"へ。
by bandoh
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2009-06-12 Fri
ニューヨークを飛び立って6時間と少し、サンフランシスコ空港に到着
ここからはナパへ向かうリムジンバスに乗る。
空港からはベイブリッジを通ってナパへ向かいますが、毎回ナパへの道は渋滞
空いていれば1時間位で着くのではないかと思いますが、道が混んでいるせいで2時間前後はかかります。
ナパの停留所からは、タクシーに乗り換えようやくナパに到着。
時計を見ると、時刻は午後4時。
でも、まだまだ8時頃までは明るいので、近所を歩くには十分な時間がある。
今日から泊まるのは、ヨーントヴィル地区にある"Villagio Inn & Spa"
中庭にあるテラス席では、ワインを楽しんでいる宿泊客がチラホラいます。
テラス席のすぐ横にはプールもある。
6月のこの季節は、日本と同じくアジサイの花が
ホテルの敷地内も外にも、花が綺麗に植えられ手入れされ咲いています。
テラスを通って通路を歩いていくと、宿泊棟が敷地内に広がっています。
このホテルには宿泊棟に加え、大中小の会議室、そして大きなスパ施設があります。
近辺のワイナリーがテイスティングを楽しめる時間であることを確認し、歩いてすぐ側にあるスパークリング・ワインで有名な"Domaine Chandon"へと向かいます。
ここはフランスの"モエ・ヘネシー社"のグループ傘下にあるワイナリーです。
各種のスパークリング・ワインをシャンパン方式で作っています。
Domaine Chandonの門から、ティスティングルームへと続く道
建物の中に入り、階段を昇るとティスティングルームがあり、沢山の人で賑わっています。
カウンターでは、数種類のシャンパンをテイスティングできます。
ティスティングルームを出て庭へ出ると、テラス席がありここではオイスターなどの食事と一緒にシャンパンを楽しめます。
ヨーントヴィルのホテルに泊まるならば、ここのワイナリーに来てゆっくりと過ごすのも悪くない方法です。
また、ここの"フレンチ・レストラン"はナパでも有名ですので食事をしても良いかもしれません。
ホテルに戻ると、ホテル内ではサービスの一環として、"無料"のティスティングを行っています。(無料っていうのが、いいですよねぇ~)
セント・ヘレナ地区にある"NEYERS VINEYARDS"からのワインです。
旦那さんと、シャルドネとメルロー、カベルネ・ソーヴィニヨンをそれぞれティスティングしましたが、彼は"Domaine Chandon"に続いてこのワインも美味しいことにビックリ。
「何で、ナパのワインって、こんなに美味しいの??東京で飲むのと違う~」と感動。
ちなみに、ホテルのサービスは結構気が利いていて、この無料ワインティスティング・イベントも楽しいですが、お部屋にもサービスで、"Belinger"のシャルドネが1本、ワインクーラー、グラスと共に置かれています。それと部屋には暖炉とその側に薪が置いてあり、ぐっと気温が下がる夜(ナパは日中は陽の日差しが強く暑く、早朝と夜、冷え込みます)には、薪をくべて火を焚くことができます。
夕食は、ホテルの前の道路を挟んでお向かいにある"REDD"へ。
ここの料理は、野菜とお肉、魚介を使って、あっさりとライトティストに仕上げる"ワイン・カントリー・キュイジーヌ"です。(ナパのことをアメリカ人は、ワイン・カントリーと呼びます。)
ここのシェフは、以前"Auberge du Soleile"というナパの中で最もラグジャリーなホテルのレストラン出身で、ナパで"REDD"をオープンしてまだ間もないのですが、すぐに人気店となり、事前予約がないと席が取れません。
私は個人的に、アメリカだったら、ニューヨークとナパのレストランが一番美味しいと感じます。
両方ともに、日本を含めたアジア料理の影響を受けて、斬新な料理を作るシェフがいるせいだと思いますし、そういった味のフュージョンを理解する、比較的富裕層のゲストが沢山いるせいだと思いますが。
"REDD"のテラス席
お料理の中の1品
ホタテとカリフラワーのピュレ ガーリックとアーモンド添え バルサミコ
そら豆とシラスのリングイーニ パルメジャンクリーム
REDDの料理は、2年前に来たときよりも全体的に美味しくなっていると思いました。
上記以外にも、"ジンジャーソースを添えたハマチの刺身"や、"カリカリに揚げたイカとタマリンドソース"なども食べてみたのですが、前回はソースの味が強すぎたり、刺身の臭みが出ていたりと、残念と思うことが多かったのですが、今回はそんなこともなく”あら、美味しい”という感じです。(進化したのか?私の舌が変わったのか?)
旦那さんは、ここのワインにすっかり感動状態。
ワイナリーでも、ホテルでも、レストランでも、グラスで飲むワインが美味しくて、
「東京で売られているワインには、混ぜ物が入っているんじゃないか」と疑っていました。
(実は私もそう思うときがたびたびあります。)
明日はいよいよ、ワイナリー巡りです。
by bandoh
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2009-06-11 Thu
「僕はもう一度、国連に行かなきゃならない。」と旦那さん
何でも国連のミッションが書かれたBookを買い忘れたらしい。
といっても彼は、もともと国連のミッションに強く共鳴しているとか、世界平和に何としても貢献したいというわけではない。
彼の会社が昨年から活動を支援しているNPO法人が、国連傘下の団体らしい。
先日、国連を見学しているときも、東京に電話をかけて、あれこれと必要なものを確認していた。
もしかしたら、休暇を取っている罪悪感?も手伝い、「休んでいるけど、仕事のことも忘れてないよ」という、日本のビジネスマン的な意思表示かもしれない。
私だって、旅行に来てまでもPC持参で、仕事のメールのやり取りを深夜にしているので、同じようなもんだけどね。
ということで、前置きが長くなったが、本日は午前中は二人で別々の行動を取って、ミートパッキングにある人気のレストラン”スパイス・マーケット"で12時30分に待合せることに。
私はイーストヴィレッジまでタクシーで移動し、そこからグリニッジヴィレッジまで西に向かって歩き、そこから少し北上してミートパッキングエリアまで歩いて見て周ることにした。
イースト・ヴィレッジ、以前からワイルドなイメージがある。
私がNYにいた、80年代終わりから90年代初めはSMのショーとかが流行っていた。
アメリカ人の学生も海外留学生も皆、面白がって出かけていた。
イースト・ヴィレッジの通り沿いの店のショーウィンドーを見上げると、不気味な人形が、、、
建物はどこも綺麗なグリーンやお花で飾られていて、6月のニューヨークの散歩は楽しい。
夏の暑い季節に入ると、蒸し暑くなるので、散歩も結構辛いものになる。
サイキック・クリスタル・リーディングのお店を発見
占い好きの私としてはちょっと興味はあるが、紹介された場所じゃないと、ちょっと入る気になれない。
色々なストアを覗きながら、ゆっくりと1時間ほど歩き、ようやくミートパッキングエリアへ。
Spice Marketの入り口付近
店内に入って予約名を告げると、旦那さんはまだ到着していなかった。
大丈夫かな~....と少し心配しながら、バーカウンターで食事のメニューを眺めていると、旦那さんが入り口から入ってくるのが見えた。
良かった、現れた!とほっとする。
さてジャン・ジョルジュがプロデュースするカジュアル・レストラン”スパイス・マーケット"でのランチはいかに
店内はアジア的なエキゾチシズムを意識した内装で、ほの暗くお香の匂いがプーンと漂ってきそうな雰囲気。
プロデューサーの遊び心を感じるお店です。
それと、ミートパッキングエリアのお店の多くは、工場を活用しているので、天井が高く広い作りになっています。
店内は私が一番目のゲストで、まだ席はガラガラでしたが、この後、続々と人が入ってきて、窓際の席は満席となりました。
メニューを見ると、タイ料理や食材などを中心としたアジア料理のキュイジーヌで、タイ料理好きの私は、どのメニューも全部食べたくなるような感じ。
お通しの一品
このソースが美味しかった。
酸味があって、少し辛味がピリっと利いていて、お腹が空いていたのでパクパク食べちゃいました。
一見サルサソースっぽいのですが、それよりも柑橘系の香りがちょっとあって、タイっぽい感じ。
スパイスド・チキン・サモサ シラントロ(コリアンダー)・ヨーグルト
インド系料理のサモサからヒントを得た一品でしょう
このヨーグルト・ソースも美味しい。今まで食べたことがない感じでした。
ヨーグルトにコリアンダーの取り合せ、初めて。
もしかしたらソースに少しアボカドも、入っていたかもしれません。
シュリンプ・トート・マンプラ きゅうりとピーナッツの風味のソース
タイ料理の定番、トート・マンクンをいじった料理だと思います。
エビと豚肉を細かく練り物にして油であげたものです。
ソースは、若干コリアンダーを入れた酢の酸味に、かなり細かく刻んだきゅうりとピーナッツの相性がいい。
きゅうりのプチプチとしたフレッシュな風味と食感、それにピーナッツの香ばしさと堅さのマッチングが口の中で面白い。
チャード・チリ・ラブド・ビーフ・スキューアー/タイバジルのディッピング・ソース
牛串の炭火のあぶり焼き/タイバジルのディップ
これは日本の焼き鳥の"つくね"とインドネシア料理のサティを掛け合わせた感じの料理です。
思いのほか淡白な牛のつくねが、柔らかくフワっと焼きあがっていて、やや濃い目のディップと案外相性がよくて驚き。
ディップはシトラスを絞ると、酸味と香りが加わるので、ソースの味を引き立てます。
マンゴーサラダ チェリートマト クリスタライズド タマリンド
このサラダ、今まで食べたことがないサラダで、インパクトがありました。
全体として甘めですが、辛いお皿が多いので、このサラダを挟んで色々と食べるとちょうど良い感じです。
細長く刻んだマンゴーに、チェリートマトやコリアンダーやナッツなどがミックスされています。
そこに、タマリンドをベースにしたドレッシングがたっぷりとかかっています。
ジンジャー・フライドライス
お皿が運ばれてきたときには、「えっ!」と思いました。
これって、何となくちょっと薄く延ばした牛カツ "カツ丼"っぽくありませんか?
でも実はご飯の上に乗っかっている揚げ物は、豆腐なんです。
その下には、しょうがをたっぷり使って炒めたチャーハンがあります。
これは、先に豆腐の揚げ物を細かくザクザクと刻んで、サっとチャーハンと卵と混ぜて食べます。
混ぜるとこんな感じになります。
最後はお腹が一杯になったので、軽めのデザートで締めくくり
想像していたよりも、アジアっぽい料理をうまく創作していて、とっても美味しいと思いました。
絶対に東京でもウケル味だと思います。
逆にタイ料理とかインドネシア料理、インド料理は、東京よりもNYの方が美味しいかなぁ~とも思います。
特にラーメンとかチャーハンとか、B級グルメっぽい料理が大好きなうちの旦那さんは、とっても嬉しかったらしく、「今晩もまたここに食べに来ようよ!」と一言。
よっぽど気に入ったのだと思います。
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by bandoh
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2009-06-10 Wed
NYに着てから、毎朝、相方は10分間の瞑想が日課となっている。
パークを見下ろしながらなので、やろうという気持ちになるのだろう。
都会での観光には、夫婦げんかが時々入る。
これがリゾートだと、二人とも観光というよりも、ダラダラが目的なので意見の衝突は少ない。
本日も、私は"美術館"へ行きたい、彼は"蝋人形館"へ行きたいで揉めた。
「NYに来て、わざわざ蝋人形館へ行くことはないでしょ~」
「ここの蝋人形館は、すごくいいらしんだ、質が高いんだよ、フミちゃん」
「やだ~蝋人形に質なんて求めない。趣味わる~、だったら一人で行ってよぉ。」
「分かったよ、じゃ~一人で行くよ。」
と言いながらも、結構慎重な相方は、一人で行って迷子になるのが怖いらしい。
しばらくすると、「僕も美術館に行く。」と意見を変えた。
私も譲歩して、エンパイア・ステート・ビルに付き合うことで折り合いをつけた。
(元々行くことは決まっているので、譲歩にはならない気もするが)
男と女、ちょっとこの辺り、"何を求めるか"の感覚が違うと毎度感じる。
これが女同士、仲良しの友人との旅だと行きたい場所で揉めることはあまりない。
まずは、セントラルパークを抜けてメトロポリタン美術館へことにした。
時間の短縮もかねて、セントラルパークを抜けるのは、興味津々の"人力車"を使ってみることにした。
ドライバーは、トルコからの留学生のアフマット君
人力車は思った以上に快適。
自転車なので、スピードもジョギングしているくらいの速さだし、天井となる幌は下ろしているので、パークの景色をゆっくりじっくり見れる。また風を感じられるのも心地良い。
アフマット君、しっかりガイドもしてくれる。
「あそこに見えるビルは、ゴーストバスターズで使われたビルで、右側に見える遊園地は、冬になるとスケートリンクになるんだ。」
映画名を言われると、すぐにピンとくるので分かり易い。
映画やドラマの撮影によく使われる「ベセスダの噴水」で一休み
パークの中でジョギングやエクササイズをしている人は沢山いる。
エクササイズの場合、目立つのがパーソナルトレーナーの存在だ。
ここでも、パーソナルトレーナーと一緒にエクササイズ
その後、ボートハウスや池の近辺を周って、美術館へと向かう。
人力車は一般の道路を走ることも可能だ。
私達はマジソンアベニューからアップタウンへと進む。
おかげでマジソン・アップタウンのお店や人も、でじっくり堪能できてしまう。
メトロポリタン美術館のエジプシャン展の入り口
お気に入りの場所のひとつである。
メトロポリタンの場合、ルーブルと同様に、とにかくコレクションの量が多い。
毎回、沢山のコレクションの量に圧倒されて、全てを見切ったことはない。
自分の観たいパートに的を絞って、そこを徹底的に見学するのが一番だと感じる。
旦那さんは、マイセンなどの陶器がわりと好き、私はここではエジプト美術や近代美術に惹かれる。
ランチは現代美術館のレストランで取ることに。
しかし残念ながら、お目当ての"The Modern"は午後2時まで予約が一杯。
そこで、すぐに座ることが出来るカウンター席を選んだ。
私は「マッシュルームスープとラビオリ」、彼は「ステーキ・タルタル」をオーダー。
マッシュルーム・スープは案外美味。
しかし彼のタルタルは×だったようで、じっと私のスープを見ている。
(大体にして彼は、私が食べているものは、全て食べたがる人である)
仕方ないので、「がぶ飲みしないでね」と一言添えて、おすそ分け。
ランチを終えると、そそくさとエンパイアへと向かう。
観光客が増えたことやセキュリティ・チェックのせいもあるだろうが、予想通り入場には長い列が出来ている。
それを見越して、ネットでプリペイドの入場チケットを購入しておいた私。
チケット購入のため並んでいる人たちを尻目にどんどん進む。オホホホ
86階のデッキからは、マンハッタンが一望できる。
しかしながら、高所恐怖症の私は怖くて、遠くは見れても、真下を見ることができない。
でも、その時、いや~なものを観てしまった。
外で修理をしている人がいる!!!!!
エンパイアからの景色を楽しんだ後は、ダウンタウンへと移動。
どうしようかと相談した後、ミートパッキングエリアへ行くことにした。
元々は精肉工場だったエリアの開発が進んで、マンハッタンで最もヒップで人気のある場所となったそうだ。
アメリカのドラマや映画で時々出てくる。
行ってみると、あちこちに面白そうなショップやカフェ、レストランがあり、人が多い。
今取り壊し中で、開発を待っている敷地も目立つ。
少し周囲を歩いた後、喉が渇いたという旦那さんのリクエストもあり、Fig&Oliveというレストランへ入ってみた。
午後4時という中途半端な時間のためか、お客さんは数組しかいない。
私はシャンパンを、旦那さんは「ココナッツミルクとアボカドとライムのスープ」を頼む。
(昼食のときの私のスープが羨ましかったのだろうか)
なかなか、いい感じのお店である、清潔で清涼感がある。
お店の入り口には、沢山の種類のオリーブオイルが陳列してあり、販売もしているようだ。
ただし、スープは、ちょっと難しい味。
調味料や塩を一切使わずに仕上げていると思うのですが、苦味が強く塩気がない。
彼は少し飲んだが、その後、飲めなくなったようで、結局スープは半分以上残してしまった。
ここがどこか一目で分かる人は結構なドラマ"通"だと思います。
HBOのドラマ"SEX&THE CITY"で撮影に使われた、主人公「キャリー・ブラッドショー」の家の前です。(ドラマの中ではアップタウン・イーストサイドの設定ですが)
"なんてミーハー"と思いながらも行ってしまった!
ガイドブックにも掲載されているし、ツアーも組まれているので観光客が絶えないらしい。
でもこのとき、周りには誰もいなかった。
ガイドブックの掲載はストリートを間違えて記載しているので、現地に行ってみたものの、いまひとつ釈然としない感じがした。
うちの旦那さんは、「フミちゃん、ここ違うような気がするよ。」と言うし、う~んと悩んでいたら、偶然にも、"サラ・ジェシカ・パーカー"(キャリー役)の犬の散歩を請け負っているという男性と遭遇。
正しい場所を教えて貰い、発見できました。
余談ですが、彼はセレブのワンちゃん達専門に仕事を請け負っているようで、沢山の自宅の合鍵をジャラジャラとぶら下げていました。
ニューヨーカーって、本当に自分のためのプロフェッショナルが好きな人たちだと思います。
私の弁護士、私のカウンセラー、私のトレーナー、私のアシスタント、私の犬散歩係り、私のシェフなど、基本的にお金を持っている人たちが、お金を使える方法が沢山ある街なのだと思います。
でも、何だか、ちょっと興奮。
近所には、やはり"SEX&THE CITY"で有名になったカップケーキのお店、"マグノリア・ベーカリー"があります。
可愛いカップケーキを2つ買って、ホテルのお部屋で食べることにしました。
東京で食べるスィーツよりかなり甘めですが、サクサクとドライな食感のスポンジケーキに、やや濃厚なクリームがマッチしていて、見た目よりも美味しかった。
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by bandoh
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2009-06-09 Tue
時差ぼけで朝早くから目が覚めてしまった。
(ちなみにスーツケースは午前4時に無事ホテルに届き、部屋まで運んで貰いました)
ボケボケの頭で、のろのろとリビングに出てみると、シャッキ~ン
パノラマに広がる窓からの眺めに感動
ずっと、セントラルパークを見下ろせる部屋に
滞在したいと思っていたので、"トランプ"を選んで良かったと思った。
コーナーなので窓が多く、部屋が広く感じられる。
ここは、キッチンもついているので、すぐ側にある"ホール・フーズ"というテキサスからスタートしたマーケット(オーガニックによる食品や化粧品、サプリなど健康志向の顧客をターゲットに販売しているNYで人気のデリ&ストア)で買い物をして、食べることも出来る。
今日はマンハッタンのアップタウンからミッドタウンをゆっくり観ることにした。
相方は、アメリカの大学を見たことがないそうなので、まずはコロンビア大学に行くことに。
久しぶりに地下鉄に乗る。
昔は地下鉄の駅のブースの窓口で、”トークン"というコインのようなものを買って(確か1ドルで1トークだったような)、それを改札口の投入口に入れると、あの金属の棒がグルリと回転して、一人ずつ入れるようになっていたが、時代は変わりトークンではなく、メトロカードを購入するようになっている。
勝手が分からずまごまごしていると、後ろに並んでいるビジネスマンの二人組みが、パネルの操作を親切に教えてくれる。
コロンビア大学は、正門を入ると、芝生の中庭を囲むように、古いアメリカン・ゴシック様式の建物が権威を匂わすように静かに存在している。思わず懐かしい~と感じる。
しかし随分、増築と改修を行っているようで、以前と比較すると建物が増殖して広がったようだ。
6月という気候もあるが、深い緑の葉をたたえた樹木と、イキイキと咲く花が、古いレンガの建物とのコントラストで双方ともより綺麗に見える。
それぞれの建物の目的や名前について、旦那さんに説明したが、感動しぃの相方は、「アメリカの大学はすごいねぇ~」と、いちいち反応してくれるのが嬉しい。
大学や学生寮を一通り観た後、開発されて安全になったというハーレムの近辺に移動したが、どうも旦那さんの様子がおかしい。
ソワソワしていて落ち着きがない。歩いてレノックス通りに出る前に、「もうここは出よう」と言う。
住人達からジロジロ見られて、嫌な波動を感じたそうだ。
私はといえば、全く逆で"いや~、ハーレムも何だか開発されて、ブランド・ストアが沢山出店していて、随分変わったなぁ~。あの以前の突き刺すような住人の視線がないなぁ"と内心思っていた。
ハーレムはもともと、先に移住したオランダ系の住民が住んでいた地域でもあるので、通りを入って歩いてみれば、結構統一されて赴きのある、作りの良い古レンガのアパートがまだ残っているのだ。
それらの町も含めて、一緒に観て周ろうかと思っていたが、予定を変更し早くにハーレムを切り上げて、ミッドタウンに向かった。
タクシーは、ストリートを横切って街を下り、セントラルパークの北端まで下って走ると、左に折れてパーク・アヴェニューに入る。
そうすると、町の雰囲気がガラリと変わってくる。
アッパー・イースト・サイドのWASPで、保守的で高級そうなコンドミニアムやアパートメント、そしてそこの住人達が登場してくるからだ。この近辺はいわゆるセレブと言われる人たちが多く住んでいる。
47丁目まで降りてくると、タクシーは右折してフィフス・アベニューまで行く。
ちょうどダイヤモンドストリートの手前で止まって貰った。
車を降りると、両サイドに貴金属のショップが立ち並ぶ通りと出くわす。
ここもまた異質な世界だ。
超正統派のユダヤ系の商人たちが、彼らの伝統に従った服装と髪型で通りを歩いているからである。
丈の長いジャケットの黒のスーツと靴と長い髪。
そして白いワイシャツにネクタイ、黒の山高帽を被り、
顔には長いあごひげを伸ばした年配の男性、またはくるくると縦ロールに長く伸ばしたもみ上げをつけた男性が、そこかしこにいる。
ここにいると、違った時代の違った国にいるような気分になってくる。
そして、そのまま47丁目を東に向かって、ずっと進んでいく。
ワクワクしてきた。昔住んでいた51丁目のアパートに向かっているからである。
途中セントパトリックス教会に立ち寄り、更に20分程度歩くと、出た~
ありました。以前と変わらずにありました。懐かしい....
よく通っていた近所のイタリア料理屋はなくなっていたが、韓国人が経営するネイルサロンはあった!
店舗は儲かったせいなのか、改装して今風な感じになっている。
当時は1回行って、7ドル+チップだった。(本当に安い)
それに、中国系の夫婦が経営するクリーニング屋もまだ商売を続けている。
日々スニーカーとジーンズで過ごしていた、当時の記憶がまざまざと甦ってしまった。
旦那さんは私の横でしみじみと、「フミチンの歴史を感じるなぁ、何ともいえないね」と呟いていた。
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by bandoh
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2009-06-08 Mon
このままずっと旋回し続けるのだろうか?
ユナイテッド航空の7866便に乗った私は、やや不安な気持ちで、JFK空港の上空辺りを着陸許可を待ってグルグル旋回している飛行機の窓から雲を見下ろしていた。
うちの旦那さんは、隣のシートでぐっすり眠っている。
今日はNYに到着する日、しかも今晩は旦那さんのたっての希望で、新しいヤンキース・スタジアムで、ヤンキース対タンパ・ベイ・レイズの試合を観る予定である。
大の松井ファンの彼は、"新球場"と"松井のプレー"を、何としても見たいのだ。
しかしながら、私達がNYに滞在する日のうち、ヤンキースで試合があるのは今日だけ、後は全てアウェイである。
もし今日の試合を見逃すと、あとは観ることができない。
飛行機の到着時刻は、当初午後6時30分予定だった。
そして、試合の開始は午後7時05分から。
しかし、既にJFKの上空を旋回している時、時計は午後7時15分を越えている。
既に試合は始まっている....。
呑気に寝ている旦那さんを横目に、一人ハラハラしながら着陸を待っていると、ようやく機長からランディングのアナウンスが流れ、飛行機は約1時間遅れで空港に到着した。(あ~、もう)
JFK空港には、既に"車"を手配済である。
バッゲージ・クレームを出た辺りで、私達を待っているはず。
荷物が出てくるまでの間、旦那さんを残して私は出口へと急ぐ、ドライバーを確認するためだ。
いたいた、とっても大きなドライバーさんである。100キロは超えているだろう。
「あなたがミセズ・バンドー?やっと来たの。俺、ここで1時間以上も待ってたんだよ~。どうするの?ホテル行くの?スタジアムへ行くの?」
時計を見るとすでに7時40分を過ぎている。
「先にスタジアムへ行って。7回のイニングまでに間に合うかどうか心配だけど、とにかく行くわ。」
*7回までに行かないと球場には入れない。
ドライバーと道路の混み状況や、まだ私達が荷物を受け取っていない状況などの話しをした後、再び荷物を待っている旦那さんのもとに、走って戻る。
すると、バッグ取り出しの回転台の上には乗客の荷物が見当たらず、今まで荷物を待って周りにいた乗客は誰もいない。
フロアに幾つかのバッグが残されたまま、人がいないのである。
そして、旦那さんがポツンと一人で所在なさげに立っている。
まずい.... とっさに嫌な予感が走った。
案の定、私達の荷物は「紛失」したようだ。
実は嫌な予感がしていたのだ、、。出発前に紛失する予感が走り、用心深くなった私は、思わずユナイテッドに問い合わせ、ワシントン・ダレス空港からの乗継ぎの際の紛失率と、ついでに遅延率も確認していた。
答えは、「大丈夫です。殆どそんなことはありません。」と、やや冷ややかな声で対応する女性オペレーター。
そのときにも嫌な予感が走った。(大体ユナイテッドの女性オペレーターって怖い感じの人が多い。)
そして気を取り直しつつ、空港内のユナイテッドのオフィスに行くと、近くの座席にいた見覚えのある乗客が何名かいて、紛失届けの手続きを取っている。
私達も手続きのため、彼らの後ろに並ぶことにした。
こういうとき、アメリカ人って紛失など慣れたもんなのだろう、だ~れも文句一つ言わず黙々と手続きをしている。
ユナイテッドの係り員だって、丁寧に対応こそすれ、絶対にお詫びなんかしない。
まぁ、工事にしろ修理にしろ、何事もきちんと約束通りになされることが少ないアメリカでは、日本ほど人がうるさくないのだとろう思う。
ホテル滞在中のクレームだって、日本人の方がずっと細かくて多いらしい。
しかもその場で言わず(言えないのか)、後でJTBのデスクか何かを通してクレームを言うらしいので、ホテルもその場で対処のしようがないと聞いたことがある。
日本の質が向上された過剰なサービスにすっかり慣れきった私達には、特に欧米系の海外のホテルは一流であっても、エっと驚くことがある。まぁ比較論となるが、日本人はせっかちでいちいち細かいのだろう。
ようやく順番が来たカウンターで、
「今晩私達のバッグは出てくるのかしら?」と私
「今晩出てきますよ。午後10時のフライトでNYに運ばれてきますから。」と係員。
ほんまかいな...
今晩ホテルに届けてくれる予定というが、かつての経験からあてにはならないと疑心暗鬼になる。
旦那さんは、バッグの紛失は初めての体験のようで、不安そうにしている。
手続きが終わると、すでに時計は午後8時を指している。
旦那さん、私、ドライバーの3人は、オフィスを出て、駐車場へと急ぐ。
駐車場へ着くと、
出た~、長い長い黒のストレッチ・リムジンが黒光りして留まっている。
リムジンだとは思っていたが、まさかこんなに長いものだったとは。
ドライバーは、高速道路に乗ると、ものすごいスピードで飛ばして、ブロンクスにあるスタジアムへ向かってくれる。
幸いにも道はそんなに混んでいない。
ラジオをつけると、ゲームは3回のイニングの途中で"3対3"である。
松井が出ているかは分からないが、何とか7回には間に合いそうだ。
脇の車をヒョイヒョイ抜けながら、20分くらいでスタジアムに到着した。
新スタジアムは、旧スタジアムに隣接している。
スタジアムの裏側に回ると、沢山のアパートメントが立ち並んでいる。
「この辺りの住人は、ヤンキースファンで越してきた連中なんだよ。皆プエルトリカンだけどね、アハハ」と笑って説明するドライバー。ドライバーも一見したところ、ヒスパニック系だが、メキシコよりなのかもしれない。
観戦後の待ち合わせのため、ドライバーと急いで携帯電話の番号を交換しあうと、私達は急いでスタジアムに入る。
4月にオープンしたばかりの真新しい球場の中は、野球ファンの熱気で溢れている。
立ち見が出来る通路にも、もっぱらヤンキースファンが楽しそうにワイワイと観戦している。
立見席からでも、ものすごく近い、よく見える!
それもそのはず、立見席も球場に近い階層にあり、しかもフェンスがとっても低い。
昔神宮球場のフェンスの低さに驚いたが、本当にヒョイと乗り越えられる高さだ。
芝もとっても綺麗。
私達が到着したときは、4回の裏、ヤンキースの打線である。
ちょうど、松井が打席に立っている。
この打席でフォアボールとなった松井は出塁したが、続く打席がセカンドゴロでゲッツー。
再び6回のイニングで打席に立つ松井。
残念ながら、内野ゴロで1塁アウト
打撃の交替時には、グランドの軽い清掃が入るが、YMCAなど楽しげな音楽が流れてくる。
それに合わせて、みなノリノリで踊る観客。
清掃員だって、音楽に合わせて動き出す。
私達も疲れもどこへやら、ヤンキース・ファンに混ざって応援し、YMCAも踊り一緒に楽しいノリを共有させて貰った。
ついでにスタジアムの中を探訪すると、選手のサイン入りのバットやボールなどを展示しているミュージアムや、グッズショップなどがある。グッズショップで、光物好きの私は、祈念にラメ入りのキラキラしたヤンキースのキャップを購入。
その後ショップでホットドッグを買って、二人でほおばりながら、再び応援。
ヤンキース打線は、その後6回と8回に、レッドソックスから移籍したSwisherとJeterがそれぞれホームランを打ち、5対3とリードし、そのまま勝利した。
私達は球場出口の混雑を避けて、少し早めに出口へ向かいながら、ドライバーに連絡を入れる。
出口のゲートを抜けて、待合せた場所へと進むと、「車」が見えてきた。
「祈念にストレッチ・リモー1枚撮ろう!」と思い立ち、
離れた高い道路脇からデジカメでパシャリとやっていると、
目ざとく見つけたドライバーが大きく手を振りながら、
「ハニー!ヘイ、クモォーン!急いで、急いで」と声をかける。
近づいてみると、警官が側にて、危うくチケットをきられるところ。
あぶない、あぶない。
試合の興奮も冷めやらぬまま、すぐに車に乗り込み、車ごと夜の帳に吸い込まれる私達。
混雑を避けて、ハイウェイを使わなかったため、アムステルダム・アヴェニューから、マンハッタンのまだ開発されていない"アップタウン"を抜けてホテルへと向かう。
何だか、綱渡りのような1日だったが、何とか新スタジアムでヤンキース戦を堪能。
"あ~良かった"と車の中でしみじみと思い、忙しかった1日を振返った。
by bandoh
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2009-06-07 Sun
もし、会社でとんでもない上司の下で働くことになったら、あなたはどう思うか?
「なんで自分が...最悪、悪い夢だと思いたい。」とショックを受けるかもしれない。
嫌な上司とぶつかって、会社を辞める人も少なくない。
しかし、世の中、片方だけが苦しんでいるわけでもない。
上司の方でも、"困ったちゃん"の部下を持って、悩み苦しんでいる人たちがいる。
かつてコーチングをしていたある男性管理職は、自分より年上の男性部下を持ち、鬱々としていた。
その男性部下は、対人関係に問題があるためか、様々な部署を転々としていた。
部下はプライドが高いため、仕事で失敗しても、なかなかストレートに指摘できない。しかも、チームメンバーの女性達からも、"あの人、何とかして下さい。耐えられません。"と突き上げを受け、私がコーチングを担当する時には、男性管理職はストレスから産業医のカウンセリングを受けていた。
また、ある女性管理職は、自分と同期入社の女性部下の対応に四苦八苦していた。
女性部下は、職位と求められる役割に応じた業務レベルをこなせない。そして話し合っても、こなせていないことに自覚がない。ついには、相手がすっかり殻を閉じてしまって、決して本音を言わないし、話すこと事態にストレスを感じていて、自分を避けている。
周りの男性部下達からは、"僕達、あの人の物言いが怖いんですよ..このままでは、派遣社員がまた辞めてしまいます。○○さん、何とかして下さい。"と、切実に訴えられていた。
私がコーチングを引き受けて話しを聞いたときに、両者とも、何とか相手と信頼関係を築き、問題行動を改善をしようと試みて、誕生日にプレゼントを贈ったり、聞きたくも無い相手の話しに耳を傾けたりと、必死に努力をしていた。
がしかし、信頼関係は構築できないし、成果は現れてこないようだった。
こういった"困ったチャン"の部下を持った管理職の特徴として、根が真面目で努力家タイプが多い。また、自分自身、仕事がよく出来る人たちで周りから期待されている人である。
だからこそ、必死に頑張るし、自分と自分のチームの目標を、何とか達成したいと心から望んでいる。
私はコーチングの際、こういったケースの場合には、まずクライアント自身を本人の中心線に戻すことを心がける。
つまり、そういう状況に置かれると、こういった管理職の方々は、自分でも知らないうちに部下にすっかり支配され、振り回されているケースが多い。自分の"幸福感"が、部下によって左右されているのだ。だから終いには"困ったチャン"部下の顔を見るのも嫌になってくる。
こういう周囲にネガティブなエネルギーを振りまく"困ったちゃん"の場合、自分自身は決して仕事が出来ないとは思っていないケースが多い。
かつてはボス的な管理職としてバリバリ働いていたり、チームを仕切ってチャキチャキ采配していたり、厳しい親のもと学生時代から勉強ができる「優等生」として評価を受けていたりなど、過去の栄光がある。
だからこそ、今自分が評価されていないことは、"決して受け入れらない"のだ。
そんな空気を感じとったら、堅固なバリケードを自分の周りに築き、自分を認めない人間に対しては自分なりの方法で戦う。
間違いを指摘されたら「自分のせいじゃない。」と反論する、また相手にきつい物言いをすることによって、相手からバカにされないよう自分を守り戦うのだ。
困ったチャンの内面の世界観では、対人関係は「食うか、食われるか」もしくは「勝つか負けるか」なのかもしれない。
"困ったチャン"のネガティブ・パワーが周囲に与える影響は絶大である。
上司のみならず、周りもウンザリしていることが多い。
しかし"困ったチャン"自身は、自分の行動によって周りから疎まれたとしても、その行動を止めない。
それは「負けるのが怖い」からであろう。
だから決して周りの評価を受け入れない。
表面の態度とは裏腹に、困ったチャンはとても怖がりの人たちだったりするのかもしれない。
困ったチャン部下を持つ悩める上司の方々に「中心線」に戻って貰うために、薦めていることがある。
それは、困ったチャン部下にすっかり占拠されているイライラ状態から抜け出して貰うことだ。
まずは、感情的な部分で距離を置いてもらう。
パワフルな困ったチャン部下の場合、上記のとおり自分を認めない人に対しては敏感である。自分を認めていないと感じるやいなやバリケードを張り巡らす。評価していないことを言葉にしなくても、表情や物言いで敏感に察するのである。
また、バリケードは上司に権威がない場合(年齢が近い、年下など)、更に厚くなる。
相手と距離を置いて貰ったら、上手く行っている部下やメンバーと、今後どうして行くかにフォーカスをあてて貰う。
人はポジティブな面にフォーカスを当てるとエネルギーが沸いてくる。
そして、自分自身をニュートラルな位置に戻し、一旦、困ったチャンへの"必死の思い"や関係をリセットしていく。
困ったチャンによって気分を左右される日常からの脱却である。
それは、自分自身を取り戻すことでもある。
一旦、相手と距離を置き、ニュートラルに関わり始めると、困ったチャンのことが冷静に見えてくる。
また困ったチャンの反応も変わり始めるから不思議だ。
上司のストレスが無くなったり、自分を変えようとするエネルギーが下がると、部下は敏感にそれを察するのだと思う。
このことは、部下を見放して匙を投げることとは違う。
絡まった糸を、ゆるめて解きほぐすのと似ていると私は思う。
部下へのコーチングは、部下より先に"自分の正しさ"を、手放してみることが大事なのだと思う。
そうでなければ、深い部分で、部下と勝ち負けの戦をすることになる。
by bandoh
徒然なるままに : 09:47 : comments (x) : trackback (x)