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ナパより ワイナリー巡りその1

乾いた空気が気持ち良いナパの翌朝太陽
ホテルでの朝食前に、近所を散歩にくきゅうにくきゅう


ナパでヨーントビル地区は何かと便利チョキ
歩いていける距離に、スーパーマーケットや郵便局はあるし、レストランもあるし、そして美味しいパンも売っているビストロ"Bochon"もある。
ここは、トーマス・ケラーが手がけるレストランの一つ、確かニューヨークにもお店があったはず。
前回来た時の夕食は、同じグループの"フレンチ・ランドリー"で食事をした
朝早くからベーカリーをオープンして、てパンを売っているので、幾つか買ってホテルに戻ることにハート


そういえば、NYとナパに来てからレストランで毎回パンを食べているが、とても美味しいと感じる。
東京のレストランで出されるパンより、やや固めで、味が深い。
MoMaのレストランの中のバーカウンターで出されたパンも美味しかった。

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さて、ホテルに戻ってから、ビュッフェでの朝食をゆっくりと済ませ(旦那さん、多分全てのメニューにトライしたと思います)、ホテル玄関のポーチに腰掛けて待っていると、ワイナリーツアーを頼んだ”マグナム・ツアー"のドライバーがやってきた。
車は黒のセダンを用意してくれている。互いに自己紹介し、周りたいワイナリーなどの相談をして、ツアーをスタート。

ナパ・バレー(谷間 盆地)のワイナリーは周りやすい。
ナパ・バレーは、南北を走る二つの山脈に囲まれた盆地で、この盆地を走る大動脈が"ハイウェイ29号線"である。有名なナパのワイナリーは、この29号線とその東を並行するシルバラードトレイルという、二本の道路沿いにほとんどがずらりと立ち並んでいる。

ナパ郡の総面積51万3000エーカーであるが、うちブドウ畑は約40000エーカーにブドウ畑が作られている。
なので、実際に土地を見た感じでは、農地はほとんどブドウ畑であるといった感じだ。
カベルネ・ソーヴィニヨン種を主に植えているナパの面積を、同じくカベルネ・ソーヴィニヨン種を主に育てているフランスのボルドーと比較すると、ナパはボルドーの1/8ほどの大きさしかないが、この小さなバレーは、とても複雑な土質、地形、そしてマイクロ・クライメート(地域の違いによる細かな気候の区分)を持っている。

例えば、暑く砂漠っぽい気候を持つナパの北部の地区では、カベルネ・ソーヴィニヨン種を作るのに適しているが、デリケートなピノ・ノアール種の場合は適さない。
ナパ南部のカルネロス地区のように、もっと涼しい地域の方が良質なピノ・ノアール種ができる。ナパの場合、南にあるサンパブロ湾からの霧、冷気、風の影響で北部地区(オークヴィルやルーサーフォード)よりも南部地区の方が涼しい。
同じく冷涼なフランスのブルゴーニュで作られるピノ・ノアールと、ナパやソノマのピノノアールとでは、やはり違う。
ブルゴーニュの緯度を見ると、ナパよりも高く、その位置によって冷涼な地域となっているが、日中の日差しはナパよりも弱い。
ナパの場合には、サンパブロ湾から流れ込む霧や冷気によって涼しい地域となっているが、日差しは強い。それが、ナパのワインをブルゴーニュのワインよりも、フルーツ味と香りの強いフルーティなワインに仕上げている。

ナパのワイナリーの地図
それぞれのワイナリーの特定地域を示す地区:「アペラシオン」(特有の土質や気候を共有する地区)が記載されている。
赤文字部分で書かれている「アペラシオン」は、北(上部)から"カリストーガ"、"セント・ヘレナ"、"ルーサーフォード"、"オークビル"、"ヨーントビル"、その東隣に"スタッグス・リープ"地区(赤文字ではない)、その南部に"オークノル"(赤文字ではない)がある。


それ以外にも北部東側に、"ハウェル・マウンテン"、そこから東側の細長い"チルズ・バレー"、更にそこから南下した"アトラス・ピーク"
"ヨーントビル"の西側に広がる"マウント・ヴィーダー"、その南部に広がる"カルネロス"地区がある。
カルネロス地区の南には、サンパブロ湾が広がっている。

これらの地区の特性が、それぞれの地域に適したブドウや、ワインを特徴づけている。
そしてその特性を持ったぶどうを、素晴しいワインに仕上げるのは"ワイン・メーカー"と呼ばれる醸造技術を持った人たちである。
特にカリフォルニアでは、"スター・ワインメーカー"と呼ばれる人たちへの注目度と信頼度が抜群に高く、"スクリーミング・イーグル"や、"ハーラン・エステート"など一部の"カルトワイン"は、そういったスター・ワインメーカーの手によって作られている。
だから、スター・ワインメーカーの醸造方法や動向は常に注目されている。

ただし、そういった一部カルトワインの売られ方は、ちょっと独特で、例えば生産量を極端に減らして、販売する際にはオークションにかけて身内でダ~っと先に買い占めてしまうという話しを、あるナパのワイナリーのオーナーから聞いた。
買い占められたワインは、市中に出回らないので1本辺り10万、20万円と値段がつりあがっていくことになる。
なので、これらのワインについては、色々と賛否両論もあるようです。


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まずは、ヨーントビルを出てオークビル地区のワイナリーを幾つか訪ねることに。

オークビルで採れるカベルネ・ソーヴィニヨン種は一般にはバランスが絶妙で、天秤にのせたようとも言われる。
ブドウは温度、水分、太陽の絶妙のバランスを受けているからだ。
この地区で作られているワインはナパの"伝統的ワイン"といわれる。それは歴史的な意味の伝統ではなく、ナパの恵まれた風土の特徴をみごとに反映しているという意味である。土地に色々と手を入れて改良する必要はなく、自然に耕すだけで十分という。
そういう意味では、その少し上にあるルーサーフォード地区も同じようなものである。


"Silver Oak Cellars"へ
実は2006年の火災で建物は消失してしまっていて、07年に訪れたときには、建物はまだ建設中で友人と仮設施設でティスティングをした。
私はここのカベルネ・ソーヴィニヨンが好きである。


シルバーオークのワインのラベルに出てくる"アイコン的"なWater Tower


ワインは、2004年のものがリリースされている。
2種類のワインをティスティングした。
1つはナパ・バレーのカベルネ・ソーヴィニヨン種、もう1つはアレキサンダー・バレー(ソノマ郡)のカベルネ・ソーヴィニヨン種
まだ午前10時なので、ワイナリーは空いている。


個人的な好みだと、アレキサンダーバレー(ソノマ郡)の方が美味しいと思う。
ナパの方は複雑な深みがあるが、アレキサンダーバレーの方が果実味が豊かで香りが華やかに広がると感じる。



さて次は、シルバーオークのすぐ側のオーパス・ワンへ

"Opus One Winery"
オーパスワンは、ナパワインにあまり詳しくない旦那さんもよく知っているワイナリーのようだ。
夜の銀座のクラブで、高級ワインとしてしばしば出されるので、高級などこかのワインとしてイメージが残っているそうだ。
ここには、初めてナパを訪れる人のために、話しのタネとして立ち寄るが、私個人はそんなに強くここに愛着を感じていない。
同じように美味しいワインや、もっと個性的なワインが、違った価格で存在しているせいもある。
話してみると、地元の人たちも、私と同じような感想を持っている人たちが多い。


建物は、よく磨きこまれた石灰岩の一枚岩をふんだんに使って作られたシンプルで豪華な建物である。
内装もゴージャスである。ここのワイナリーはフランスの"シャトームートン・ロットチルド"の所有者と"ロバート・モンダビ"が共有で所有していると記憶する。
1979年に最初のワインを発売したが、日本でも突出した人気のある超プレミアムワインである。これは"メリテージ"、つまりボルドー種がブレンドされたワインで、カベルネ・ソーヴィニヨン、カベルネ・フラン、メルロー、マルベック、プティ・ヴェルドなどの中からその年のブドウの出来具合によって適切な品種をブレンドして作っている。


テイスティングルーム カウンター横のコーナー


オーパスワンの畑
よく見るとヨーロッパのぶどう畑によく似ている。
ぶどうの木と木の間が狭く、背が低くよく光があたるように植えられている。
この畑を進むと29号線が走っていて、29号線を挟んで向かいにあるのが、ロバート・モンダビである。


2階のテイスティングルームで出されたワインを、3階のオープンテラスで畑やオークビル地区の景色を見ながら楽しむことも出来る。


オーパスワンのワインは、安定していつ飲んでも美味しいというイメージがあるが、値段が値段なので、ふ~んというのが正直な感想。
私はお気に入りのSilver Oakでリリースされた04年のカベルネS(アレキサンダーバレー)を購入し、旦那さんはオーパスワンでワインを1本購入した。(おみやげ用だそう)


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そしてオーパスワンの後は、その先の"ルーサーフォード地区"にある"Cakebread"が近いのだが、予約時間の関係上見学は後にすることに。

"ルーサーフォード地区"も"オークビル地区"と同様に、良いカベルネ・ソーヴィニヨン種を出す地域である。
このバレーの中心あたりで作られるカベルネ・ソーヴィニヨンはしっかりしたボディを持ちながら、香りや味に微妙なバランスが取れていることで特徴づけられている。
ここは、豊かなローム質の深い土質、適切な気温、降水量や太陽光線、高度に恵まれている。つまり、何らかの手を加えて栽培方法や土壌に変化を加える必要がなく、ただ正しく栽培すればよいと言われるほど最高の自然環境に恵まれている。

"Caymus"のスペシャルセレクション、"Beauliew"のプライベート・リザーブ、Niebaum-Coppolaのルビコンなどは、このルーサーフォードのぶどうを使ってできたものである。

南の"オークビル"との違いを探すとすれば、男性的と言われるオークビルのカベルネ・ソーヴィニヨンより、ややエレガントでフルーツ味が濃いと評価されている。ルーサーフォードでは、カベルネ・ソーヴィニヨンが主であるが、他にメルロー、カベルネ・フラン、そして涼しい低地にはシャルドネやソーヴィニヨン・ブランが栽培されている。

シャルドネでは、"Grgich Hills Celler"(ガーギッチ・ヒルズ)が有名。ここのクロアチア出身のマイク・ガーギッチは、カリフォルニアワインが台頭している時期に、世界にその実力を示した偉大なワイン・メーカーである。
ザグレブ大学で醸造学を学んだ後、カリフォルニアに渡りボーリューの技術者、ロバート・モンダビの主席醸造責任者となっている。そして、"シャトー・モンテリーナ"で作った彼のシャルドネンが、1976年のパリ世界博での「ブラインド・ティスティング」で最高のシャルドネに選ばれた。しかも、そのとき、カベルネ・ソーヴィニヨンでは、同じくナパの"Stag's Leap Wine Cellers"が優勝してしまったため、ナパワインは世界的な名声を得ていくことになった。

当時、フランス側にはアメリカ産のワインを軽んじ、こうした場であらためて、フランスのワインとの格の違いを見せ付けようという意図もあったと思われるが、フランスのワイン専門家たちは並みいるボルドー、ブルゴーニュの名門ワインではなく、ナパのワインを選んだのである。
ワインの専門家達が自信を持って選んだボトルの覆いが取られると、最高級のボルドーまたはブルゴーニュと確信したはずのワインはナパのワインだった。

その後も81年に行われた、カナダのワールド・テイスティング・コンテストでも、ナパから出されたカベルネ・ソーヴィニヨンが、フランスの5大シャトー(ラトゥール、ラフィット、マルゴー、シャトー・オーブリオン、ムートン)を破って一位から五位を占めてしまった。


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さて、"ルーサー・フォード地区"を更に北上し、"セント・ヘレナ地区"へと進みアージャー・マルツッチを目指す。

ところで、私もルーサーフォード地区のガーギッチ・ヒルズのシャルドネを大変美味しいと思うが、もう少し樽の香りが弱く繊細な感じがするセント・ヘレナにある"Kelam"などのシャルドネの方が好みである。すごくコクがあってどっしりして樽香の強いシャルドネだと、食事の前やスタートの時に重過ぎると感じる。

"セント・ヘレナ"は歴史的ワイナリーが多い。"ベリンジャー"、"クルッグ"、"ルイス・マーティニ"などが開いたワイナリーがそのまま残っている。
一方で、新しくは"Heitz"、"Duckhorn"、"Spottswoode"などがある。
セント・ヘレナは、町の西側を除いて、その他の地域よりは暖かい「地域Ⅲ」に分類される。低い小川のあたりは素晴しい"シャルドネ"、バレーに西側にあたる丘の斜面は、"カベルネ・ソーヴィニヨン"、東側の丘の斜面は熱い西日を受けて"ジンファンデル"や"シラー"に適した環境となっている。

まずは、"アージャー・マルツッチ"へ
"Arger Marutucci"
ここは家族で経営するワイナリーで、日本ではネットで購入できるとは思うが市販されてはいない。
小さい家族経営のワイナリーである。


私たちを迎えたくれたオーナーとセールス担当者は、
このプールサイドのテーブルで、数種類のワインを詳しく説明してくれた。


ワイン作りは、全ては「理念」から始まると説明するセールス担当のおじさん
ここのワイナリーは名前で分かる通り、イタリア系をルーツとしている。
イタリア人が愛するワインは料理の邪魔をしない主張しすぎないワインであり、フランス人が愛するワインは主張が強く、料理以上に存在感を示すものであると。
つまり、我々が目指すワインは、バランスの取れた、料理をより引き立てる素晴しいワインであると。
だから、オーク香の強いアメリカン・オークを使わずに、フレンチ・オークでワインを熟成させる。
彼等が作るピノ・ノアールは、カルネロス地区で栽培されているものである。
また、彼はなぜ、ピノ・ノアールにはカルネロス地区が適しているかについて、ナパのマイクロ・クライメートの話しを交えて分かりやすく説明してくれる。


試飲した中では、ピノ・ノアールはブラック・チェリーとプラムの香りを含み繊細な感じがした。
もともと私はここのメリテージワイン、ODYSSEYが好きなので、少し考えて2つを買うことに。
写真左から二人目がオーナー一族(息子:次男?)である。


最近、息子さんは結婚したようで、彼の奥さんは中庭でクリスタルストーンを使ったアクセサリーを作成し販売している。
ワイナリーを経営する人と結婚して、自分の好きな仕事を、同じ場所で出来るなんて、なかなかいい人生ですね。


ここで飼われている猫ねこ
私たちがアクセサリーを眺めていると、近づいてきてすぐ側の木にガリガリと登っていった。
「やばいなぁ~」と思いながら見ていると、案の定、上の木の枝の辺りまで上ったら、降りられなくなって固まっている。
猫って、どうして自分で降りられないくせに木に登るんだろうか?
猫の木登りを初めて見た旦那さんは、ビックリして親切に、猫に引っ掻かれながらも木から下ろしてあげていた。
それで気を許したのか、猫は私たちの足元で寝そべっている。



さて、丁寧な説明と説明にお礼を述べて次なる場所へ移動汗

同じルーサーフォード地区の"ハイッツ・セラー"

"Heitz Celler"
ジョー・ハイッツが1965年にカベルネ・ソーヴィニヨンを使った最初のヴィンテージを発表。
翌年から"オークビル地区"にある「マーサズ・ビニヤード」のブドウを使ったカベルネ・ソーヴィニヨンを作る機会を与えられて、1968年と1970年のヴィンテージが、ハイッツとジョー・ハイッツを世界中に知らしめた。




現在は、ワイナリー以外に、「ワイン・メーカー(人)」がよりスターになる傾向があるが、ハイッツの歴史は、「スター・ワインメーカー」の誕生と、ブドウの畑を特定する「シングル・ビニヤード(地区より細かい特定畑)」を表示するトレンドの始まりと重なっている。

「マーサズ・ビニヤード」は、オークビル地区の西側にある小さな畑(34エーカー)であるが、ハイッツ・セラーだけにブドウを販売している。
そしてこのブドウを使って、年間約4000ケースのカベルネ・ソーヴィニヨンが作られている。
同時に、ハイッツではシャルドネも作っているが(結構美味しいそして比較的安価)、何といってもその地位を築いてきたのは、カベルネ・ソーヴィニヨンである。なかでもマーサズ・ビニヤードを表示する68年、69年、74年のヴィンテージが、カリフォルニアで作られた最高のワインとも言われている。
深いカラント、ミントとユーカリの香り、熟成とともに味わいが増すこのスタイルは、長らくカリフォルニアのカベルネ・ソーヴィニヨンのモデルとなった。

2007年に偶然、マーサズ・ヴィニヤードのヴィンテージワイン(確か70年代だった)を、レストラン「REDD」で、隣のカウンターに座るワイナリーオーナーからおすそ分けして貰い、飲んだことがある。(女同士で来ると、嬉しいハップニングがある)本当にミンティで驚いた。
マーサズ・ビニヤードのすぐ隣には、古いユーカリの木の森がみっしりと茂っていて、そこから漂う香りがワインにミントでユーカリな香りをプレゼントしている。
そのユーカリの下に座ると、天然のフレッシュなアロマテラピー効果でずっと座っていたくなるそう。(行ってみたい)

07年にお裾分けして貰ったハイッツのマーサズ・ヴィニヤードのヴィンテージワインの写真


テイスティング・コーナー


建物の裏にあるワイン畑、とても綺麗。


ここまで試飲していると、正直少しクラクラしてきます。ワイン

少しポーチで休んだ後、私たちは再びUターンして”ルーサーフォード地区"へ向かうことに。

次に向かうはナパの地図には掲載されていない"Fleury"へ。



旅行 : 01:06 : comments (x) : trackback (x)
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