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LCA国際小学校

「日本人の子供達が通う小学校で、授業は全て英語で行っています」
山口校長先生から、この一言を聞いたのが、ISAK(インターナショナルスクールオブアジア軽井沢)の報告会のパーティでした。

家庭内で親と英語を交わすことのない日本の子供達がどんな風に英語での授業を受けているのだろう、、、と好奇心がムクムクと湧いた私は、「見学することは可能ですか?」と反射的に山口さんにお願いしていました。

LCA国際小学校は、建物が低学年校舎と高学年校舎に分かれていて、近くには幼稚園もあります。

低学年の校舎では休憩時間になると子供達が校庭に出てきて皆でキャーキャーワイワイ言いあいながら遊んでいます。
英語で授業を行う学校ですが、日本語もバンバン飛び交っています。

写真に後ろ姿が映っていますが、担任の先生も出てきて休憩時間は一緒に過ごします。
ただし、実はこの休み時間を一緒に過ごす/遊ぶは外国人の教員資格や経験を持つ先生にとって、抵抗感を感じることの一つだそうです。どうやら休み時間も子供達と一緒に過ごす、給食も一緒に食べるというのは日本の小学校の習慣のようで米国やオーストラリアなどの英語圏の国ではないようです。
また何か悪いことをした生徒に対する罰則を与えないというのも、彼らが当初とまどう(つまりじゃどうしたらいいの?)ことの一つのようです。対話によって全て解決していくというのが基本のようです。これは日本の学校でも同じで、今や社会問題化していますね。
しかしながら、これもきちんと外国人教師と話し合い、「子供達の性格を知り個性を伸ばす上では、そういった時間を一緒に過ごして子供達一人ひとりを観ることが大事なんだ」、「子供と対話をして理解させていくプロセスが題字なんだ」と伝えて、定着しているそうです。余談ですが、だから山口さんの小学校では教師や校長が一緒になってとことん納得するまで話し合うことも多々あるそうです。また若い教師を育成するためにも、月に一度"トーク・トーク"という機会を設けて、幸福って何?から子供学など、色々なテーマをもとに話しあいを通じて学べるようにしているそうです。外国人教師も含めた多様性のある組織ですから、こういった形で若い教師が学べるというのもありますが、互いの価値観を知り理解するというのもトークトークイベントの付加価値としてあるのではないかと思います。

通常インターナショナルスクールを運営する場合、日本の小学校とは全く違った形態になると思いますが、この小学校は違います。日本的な面も持ち合わせています。
学校運営の基本として、英語で教育を行うことに加え、日本の学校の良いやり方は教育に取り入れるべきという考え方があるのだと思います。
当初は学校のやり方に合わなくて学校を去った先生達も沢山いたそうです。この辺り、新しいことを定着させるのですから大変なご苦労があったと思います。

そして休憩時間が終わるチャイムがなると、子供達は大急ぎで上履きに履き替えて校舎に戻ります。(この辺りも日本的、そしてより衛生的)
英語、数学など、低学年の授業が始まりました。各クラスを覗くと、授業では一転して全て英語、小さな子供達の口から飛び出す英語は、私の耳にはネイティブの発音そのものに聞こえました。
授業は外国人教師によって行われていて、小人数なクラスにしてあるので、先生と生徒の双方向のやり取りによって進んで行きます。
この辺りのインタラクティブな授業の風景は、私が見たアメリカの学校よりも、もっと子供達が闊達でイキイキとした感じがあります。これは大人しくてシャイな日本の子供達を見慣れた私の目にはとっても新鮮に映りました!
1クラス18人の小人数制クラスですから実現できている部分もあると思います。
落ちこぼれを出さない、個性を引き出す、コミュニケーション力を高めるという理念のもとに、この規模とスタイルになっていると思います。

そして、外廊下から校庭に目をやると、体育着に着替えた子供達がドヤドヤと校庭に出ていて並んでいます。
な~んと、外国人の先生の指示に従って、「前へ倣へ」をやっています!!!

これ、とっても日本的なやり方であると思っていたので、かなりビックリ。
山口先生に「前へ倣へもやっちゃうんですねぇ、どうしてですか?」と聴いてしまいました。
「点呼することがすぐに出来るので、防災上必要でしょ」との回答。
なるほどねぇ、そういう実質的な側面がありますね。私はこの辺りで、子供の教育に使える西洋流のやり方も日本流のやり方もいい部分は導入し、実践している山口先生の面白さに着目してしまいました。すごいです。

この辺りが普通のインターナショナルスクールとの違いの一つでもあると思います。

英語力については、小学校5年生までに英検2級を全員が合格するというのを国内での証明の一つにしているようです。
また、小学校を終えると私立中学校の受験が控えていますので、学校では中学受験に備えた授業カリキュラムを選択で受けられるようにもなっています。
試験については日能研と提携して、学校内でテストを行っていたりするそうです。7,8時限目に選択のカリキュラムを受けられるようになっています。
ですから塾に通わせることなく、子供達は早稲田や慶應の中学校に入学しています。
17時30分には全員が小学校から出て行きますし、夜の塾通いもありません。子供は家で時間を過ごすことが出来ます。

その後は校舎を車で移動し、高学年の授業、理科と社会を見学しました。
高学年の校舎はやや大きく、廊下に目をやると子供達の手作りの新聞などが貼ってありました。

それ以外にも、演劇やダンスなどの発表会の写真も沢山貼ってありました。演劇やダンスなどの衣装なども凝っていて、この辺りは普通のインターナショナルスクールを彷彿とさせます。

高学年の理科の授業は、日本語で行われていました。
日能研出身の日本人の女性の先生が教えるクラスで、結晶を作る実験の最中でした。
子供達に質問すると、皆元気に答えてくれますし、ミョウバンの結晶の作り方も教えてくれました。
学校は理科にも結構力を入れているようです。

社会の授業もクラスに入っていくと、日本人の男性の先生のレクチャーの最中でこちらも日本語で行われていました。

この先生、普通の小学校の先生と全く違います。エネルギーもあるし、テンポがよく面白い。
プロジェクターを使って、教科書だけではなく、用意した手作りの授業の資料を渡しています。
子供達はその資料のコピーと教科書を持って授業に参加しています。
授業中は、子供達はどんなことでも遠慮せずにバンバン自分の意見を言いますし、皆、それを受け入れています。
高学年の方が低学年よりもより積極的に発言し、互いに意見を言うこともあるし、グループのダイナミクスが起きているのを感じます。
これをまとめて進行しながら、時間内に必要情報をきちんと教える教師はすごい!と思いました。
かなりの対話型コミュニケーションのあるクラス風景です。

この小学校では、授業のカリキュラムもきっちりと組まれていますが、年に3回のアウトドア合宿があるようです。
場所は長野県の八千穂という美しい景色のある場所で行われていて、春・夏・冬のそれぞれ同じ場所の全く違う景色を知り、野外活動(キャンプやスキー、ハイキング等)を体験できるそうです。
ちなみに山口さんは元々小学校の教員を経て、私塾を初めて、必要に駆られて幼稚園を作り、この小学校を作ったわけですが、その経験を通じて、子供はよく遊び、その楽しさを知ることで学力も個性ももっと伸びるという信念を持っています。

また一つの課題として、英会話の力が付いてきている高学年になると、英語を話す面白さと機会が少なくなるようです。
親御さんも英語を話さないので家でも話すこともないし、学校側も英語スピーチコンテストなども行い、その溝を埋める努力をしています。
そしてもう一つ英語を話す動機付けのために、オーストラリアの姉妹校の学校の授業を受けることのできるホームステイプログラムもあります。
ネイティブの環境で英語を授業を受けることで、異文化を体験し視点を増やすというのもメリットになると思いますし、引き続き英語力を伸ばしていく意欲も高まります。

英語と日本語の両方を身につけ、アウトドアのイベントも3回取り入れ、カリキュラムが多い中インタラクティブな授業を行い、受験に向けての対策を入れるので、結構大変だなぁ~と思いますし、結果に繋げているのは本当に凄いと思います。
理想を語ることは簡単ですが、実践するのはそんなに簡単ではない、しかしやろうと思うとやれちゃうということがこの小学校で実証されているので、他の学校に出来ないわけがないと思います。
文科省も視点と制度と古い頭を変えて、こういう学校法人の認可は取れていないけれど効果性の高い学校を支援した方(助成金を出す)が、よっぽど国や社会のためになるのではないかと思ってしまいました。

さて、この学校の卒業生は、今やっと高校生になったところです。
今後、彼らが社会に出てどんな風に活躍していくのか、どんな大人になっていくのか大変興味のあるところです。
一度会って彼らの話しを聴いて、その後も追跡調査してみたいと思ってしまいました。

また、大変だと思いますが、出来れば同じように中学校・高校も、山口さんに頑張って経営して貰いたいなぁと思ってしまいます。
そうしたら、世の中の他の学校も変わるところがチラホラ現れて変化を起こせるのではないかと思います。

ただし、幼児や小学校の教育で英語力を身につけるのは効果的かつ必須だと思いますので、一方では小学校に的を絞って教育を行うのはとても良いことだと思います。
ですので、中学校・高校に広げるよりも、小学校の数を増やす方が、国の未来やグローバルな社会でリーダーシップを発揮できる人を育成する上では良いのかもしれません。
今後、もう1つ小学校を増やす計画が、山口さんの頭の中にはあるようですし、出来れば微力ながら、将来のリーダーを沢山育てるという意味で、そちらを応援させて頂きたいと思いました。

下記は小学校の理念です。

「LCAインターナショナルスクールは、世界を舞台に活躍できる「個」を育てます。」

教育理念
1.社会に還元できる個の育成
2.日本語と英語を自由に使いこなし、コミュニケーションの取れる人間の育成
3.感動する心を持った人間の育成


私は成人教育の分野ですが、リーダーシップや組織開発には、もっとソフトの面でも構造的な面でもアイディアを出し突き詰めて考えて実践していきたいと思いました。
また、やはり何事も一歩づつ着実に長期的に見すえて、継続的に行っていくことの大切さを痛感しました。

この小学校を訪れて、先生達の晴れやかな笑顔や元気で積極的な子供達を見て、心が揺さぶられた一日となりました。


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