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イノベーションについて考える

「イノベーション」について改めて考えてみました。

グローバル化が進みテクノロジーが発達し、ドンドン変化していく社会や市場の中で、企業は変化に対応して生き残っていく力が益々求められています。
既存の枠組みの中で、漫然と仕事を続けていても、日本の企業は生き残っていくことが出来ない。
そこで、組織の中の考える力を引き出し、世の中の課題や変化を先取りして対応していく力を高めるためにも、ビジネスをイノベーティブに進めて行くリーダーシップが必要となっています。

そもそも、イノベーションという言葉そのものは目新しいわけではありません。
私がこの仕事を始めた20年近く前からイノベーションは大事、変革を推進するリーダーの育成が必要と、言われ続けています。
しかし2000年以降、日ごとに複雑化し変化のスピードが増した今の時代に、イノベーションを起こす力そのものについても、もっと見直さなければならないと感じています。

長年の研究の結果、まとめられた考え方があります。
ハーバード大学のクレイトン・クリステンセン教授がイノベーションに関する本を出版しています。
「イノベーションのDNA」(翔泳社)




破壊的イノベータは、そして彼らが興した会社は、ほかの起業家や企業とどこが違うのだろう?
本書は8年におよぶ研究をもとにしています。画期的な製品・サービスを開発した100名近くの人々と、革新的なビジネスアイデアを事業化し、市場のルールを書き替えた企業の創設者やCEO―イーベイのピエール・オミダイア、アマゾン・ドットコムのジェフ・ベゾス、リサーチ・イン・モーションのマイク・ラザリディス、セールスフォース・ドットコムのマーク・ベニオフといった、そうそうたる面々―にインタビューを行った。さらに、75カ国以上の500名を超えるイノベーターと、5,000人を超える企業幹部のデータを分析して、「イノベータDNA」と呼ぶ5つのスキルを導き出しています。

■イノベータDNA:5つのスキル

①関連づける力-色々な違うものを組み合わせてアイディアを出す力
②質問力-現状を疑ってドンドン質問し答えを導き出す力
③観察力-世の中の動向をウォッチする力
④ネットワーク力-色々なジャンルの人達と繋がる力
⑤実験力-リスクを取って行動する力

今までの日本の概念だと、イノベーションとは技術革新をさして使われていたことが多かったと思うが、何か全く新しい技術を発明することだけがイノベーションではない。
研究者により色々な表現の仕方があるようだけれど、「新しい価値を生み出すプロセス」という定義が広く最も共通する概念ではないかと思う。

イノベーション力とは、何も新しい技術をイチから生み出すことではなく、”既にある情報や技術を繋げて、新たな付加価値を生み出していく力”であると言える。

もし、こういった結果をもとに、イノベーションを起こしていくための能力開発を企業で行うならば、、、
それぞれ5つのスキルに対応するならば、下記のような事柄を中心にして内容を考える必要があると思う。

①否定されるかもしれない意見を安心して話せる環境作りを行う
②対話や議論を増やし活性化していくためのコミュニケーション力を高める
③社会の動向について、情報を取捨選択し、見極める力を高める
④社内の関係部門の人達との対話、そして社外の異業種の人達との対話を増やす
⑤1歩づつ、ステップバイステップで物事にトライし検証する機会を創り高める
⑤失敗しても許される環境を作る
⑤新しいことに挑戦し成果を作った人を承認する制度を作り習慣化する

⑤について言えば、仕組みが必要となるため、能力開発だけではなく、制度や仕組みを変える必要があると思う。

そもそも、ただでさえ忙しい今の時代の現場で、変革を起こせ!と上から言われても、信賞必罰の文化の組織では、皆、息切れがしてしまうのではないかと思う。
それよりも何か新しいことにチャレンジするば、きちんと認めて褒められる方が人間はずっとやる気になる。
小林製薬㈱での言葉を借りれば、”信賞必褒”の文化が、今後の時代はもっと必要になってくると思う。
仕事に対する意欲があれば、おのずとチャレンジしたい!という意欲も湧いてくるし、一歩づつでも踏み出してみようと思えるもの。
人間は機械ではなくボタン一つで動くわけではなし、感情やエネルギーを無視して、これからの競争が益々激しくなる時代の企業経営は続かない。
人間本来の機能や感情に沿ってエネルギーをいかに最大化できるよう、仕組みを考えマネジメントのやり方を徹底する企業が勝ち残っていくと思う。

その他 : 13:10 : comments (x) : trackback (x)
LCA国際小学校

「日本人の子供達が通う小学校で、授業は全て英語で行っています」
山口校長先生から、この一言を聞いたのが、ISAK(インターナショナルスクールオブアジア軽井沢)の報告会のパーティでした。

家庭内で親と英語を交わすことのない日本の子供達がどんな風に英語での授業を受けているのだろう、、、と好奇心がムクムクと湧いた私は、「見学することは可能ですか?」と反射的に山口さんにお願いしていました。

LCA国際小学校は、建物が低学年校舎と高学年校舎に分かれていて、近くには幼稚園もあります。

低学年の校舎では休憩時間になると子供達が校庭に出てきて皆でキャーキャーワイワイ言いあいながら遊んでいます。
英語で授業を行う学校ですが、日本語もバンバン飛び交っています。

写真に後ろ姿が映っていますが、担任の先生も出てきて休憩時間は一緒に過ごします。
ただし、実はこの休み時間を一緒に過ごす/遊ぶは外国人の教員資格や経験を持つ先生にとって、抵抗感を感じることの一つだそうです。どうやら休み時間も子供達と一緒に過ごす、給食も一緒に食べるというのは日本の小学校の習慣のようで米国やオーストラリアなどの英語圏の国ではないようです。
また何か悪いことをした生徒に対する罰則を与えないというのも、彼らが当初とまどう(つまりじゃどうしたらいいの?)ことの一つのようです。対話によって全て解決していくというのが基本のようです。これは日本の学校でも同じで、今や社会問題化していますね。
しかしながら、これもきちんと外国人教師と話し合い、「子供達の性格を知り個性を伸ばす上では、そういった時間を一緒に過ごして子供達一人ひとりを観ることが大事なんだ」、「子供と対話をして理解させていくプロセスが題字なんだ」と伝えて、定着しているそうです。余談ですが、だから山口さんの小学校では教師や校長が一緒になってとことん納得するまで話し合うことも多々あるそうです。また若い教師を育成するためにも、月に一度"トーク・トーク"という機会を設けて、幸福って何?から子供学など、色々なテーマをもとに話しあいを通じて学べるようにしているそうです。外国人教師も含めた多様性のある組織ですから、こういった形で若い教師が学べるというのもありますが、互いの価値観を知り理解するというのもトークトークイベントの付加価値としてあるのではないかと思います。

通常インターナショナルスクールを運営する場合、日本の小学校とは全く違った形態になると思いますが、この小学校は違います。日本的な面も持ち合わせています。
学校運営の基本として、英語で教育を行うことに加え、日本の学校の良いやり方は教育に取り入れるべきという考え方があるのだと思います。
当初は学校のやり方に合わなくて学校を去った先生達も沢山いたそうです。この辺り、新しいことを定着させるのですから大変なご苦労があったと思います。

そして休憩時間が終わるチャイムがなると、子供達は大急ぎで上履きに履き替えて校舎に戻ります。(この辺りも日本的、そしてより衛生的)
英語、数学など、低学年の授業が始まりました。各クラスを覗くと、授業では一転して全て英語、小さな子供達の口から飛び出す英語は、私の耳にはネイティブの発音そのものに聞こえました。
授業は外国人教師によって行われていて、小人数なクラスにしてあるので、先生と生徒の双方向のやり取りによって進んで行きます。
この辺りのインタラクティブな授業の風景は、私が見たアメリカの学校よりも、もっと子供達が闊達でイキイキとした感じがあります。これは大人しくてシャイな日本の子供達を見慣れた私の目にはとっても新鮮に映りました!
1クラス18人の小人数制クラスですから実現できている部分もあると思います。
落ちこぼれを出さない、個性を引き出す、コミュニケーション力を高めるという理念のもとに、この規模とスタイルになっていると思います。

そして、外廊下から校庭に目をやると、体育着に着替えた子供達がドヤドヤと校庭に出ていて並んでいます。
な~んと、外国人の先生の指示に従って、「前へ倣へ」をやっています!!!

これ、とっても日本的なやり方であると思っていたので、かなりビックリ。
山口先生に「前へ倣へもやっちゃうんですねぇ、どうしてですか?」と聴いてしまいました。
「点呼することがすぐに出来るので、防災上必要でしょ」との回答。
なるほどねぇ、そういう実質的な側面がありますね。私はこの辺りで、子供の教育に使える西洋流のやり方も日本流のやり方もいい部分は導入し、実践している山口先生の面白さに着目してしまいました。すごいです。

この辺りが普通のインターナショナルスクールとの違いの一つでもあると思います。

英語力については、小学校5年生までに英検2級を全員が合格するというのを国内での証明の一つにしているようです。
また、小学校を終えると私立中学校の受験が控えていますので、学校では中学受験に備えた授業カリキュラムを選択で受けられるようにもなっています。
試験については日能研と提携して、学校内でテストを行っていたりするそうです。7,8時限目に選択のカリキュラムを受けられるようになっています。
ですから塾に通わせることなく、子供達は早稲田や慶應の中学校に入学しています。
17時30分には全員が小学校から出て行きますし、夜の塾通いもありません。子供は家で時間を過ごすことが出来ます。

その後は校舎を車で移動し、高学年の授業、理科と社会を見学しました。
高学年の校舎はやや大きく、廊下に目をやると子供達の手作りの新聞などが貼ってありました。

それ以外にも、演劇やダンスなどの発表会の写真も沢山貼ってありました。演劇やダンスなどの衣装なども凝っていて、この辺りは普通のインターナショナルスクールを彷彿とさせます。

高学年の理科の授業は、日本語で行われていました。
日能研出身の日本人の女性の先生が教えるクラスで、結晶を作る実験の最中でした。
子供達に質問すると、皆元気に答えてくれますし、ミョウバンの結晶の作り方も教えてくれました。
学校は理科にも結構力を入れているようです。

社会の授業もクラスに入っていくと、日本人の男性の先生のレクチャーの最中でこちらも日本語で行われていました。

この先生、普通の小学校の先生と全く違います。エネルギーもあるし、テンポがよく面白い。
プロジェクターを使って、教科書だけではなく、用意した手作りの授業の資料を渡しています。
子供達はその資料のコピーと教科書を持って授業に参加しています。
授業中は、子供達はどんなことでも遠慮せずにバンバン自分の意見を言いますし、皆、それを受け入れています。
高学年の方が低学年よりもより積極的に発言し、互いに意見を言うこともあるし、グループのダイナミクスが起きているのを感じます。
これをまとめて進行しながら、時間内に必要情報をきちんと教える教師はすごい!と思いました。
かなりの対話型コミュニケーションのあるクラス風景です。

この小学校では、授業のカリキュラムもきっちりと組まれていますが、年に3回のアウトドア合宿があるようです。
場所は長野県の八千穂という美しい景色のある場所で行われていて、春・夏・冬のそれぞれ同じ場所の全く違う景色を知り、野外活動(キャンプやスキー、ハイキング等)を体験できるそうです。
ちなみに山口さんは元々小学校の教員を経て、私塾を初めて、必要に駆られて幼稚園を作り、この小学校を作ったわけですが、その経験を通じて、子供はよく遊び、その楽しさを知ることで学力も個性ももっと伸びるという信念を持っています。

また一つの課題として、英会話の力が付いてきている高学年になると、英語を話す面白さと機会が少なくなるようです。
親御さんも英語を話さないので家でも話すこともないし、学校側も英語スピーチコンテストなども行い、その溝を埋める努力をしています。
そしてもう一つ英語を話す動機付けのために、オーストラリアの姉妹校の学校の授業を受けることのできるホームステイプログラムもあります。
ネイティブの環境で英語を授業を受けることで、異文化を体験し視点を増やすというのもメリットになると思いますし、引き続き英語力を伸ばしていく意欲も高まります。

英語と日本語の両方を身につけ、アウトドアのイベントも3回取り入れ、カリキュラムが多い中インタラクティブな授業を行い、受験に向けての対策を入れるので、結構大変だなぁ~と思いますし、結果に繋げているのは本当に凄いと思います。
理想を語ることは簡単ですが、実践するのはそんなに簡単ではない、しかしやろうと思うとやれちゃうということがこの小学校で実証されているので、他の学校に出来ないわけがないと思います。
文科省も視点と制度と古い頭を変えて、こういう学校法人の認可は取れていないけれど効果性の高い学校を支援した方(助成金を出す)が、よっぽど国や社会のためになるのではないかと思ってしまいました。

さて、この学校の卒業生は、今やっと高校生になったところです。
今後、彼らが社会に出てどんな風に活躍していくのか、どんな大人になっていくのか大変興味のあるところです。
一度会って彼らの話しを聴いて、その後も追跡調査してみたいと思ってしまいました。

また、大変だと思いますが、出来れば同じように中学校・高校も、山口さんに頑張って経営して貰いたいなぁと思ってしまいます。
そうしたら、世の中の他の学校も変わるところがチラホラ現れて変化を起こせるのではないかと思います。

ただし、幼児や小学校の教育で英語力を身につけるのは効果的かつ必須だと思いますので、一方では小学校に的を絞って教育を行うのはとても良いことだと思います。
ですので、中学校・高校に広げるよりも、小学校の数を増やす方が、国の未来やグローバルな社会でリーダーシップを発揮できる人を育成する上では良いのかもしれません。
今後、もう1つ小学校を増やす計画が、山口さんの頭の中にはあるようですし、出来れば微力ながら、将来のリーダーを沢山育てるという意味で、そちらを応援させて頂きたいと思いました。

下記は小学校の理念です。

「LCAインターナショナルスクールは、世界を舞台に活躍できる「個」を育てます。」

教育理念
1.社会に還元できる個の育成
2.日本語と英語を自由に使いこなし、コミュニケーションの取れる人間の育成
3.感動する心を持った人間の育成


私は成人教育の分野ですが、リーダーシップや組織開発には、もっとソフトの面でも構造的な面でもアイディアを出し突き詰めて考えて実践していきたいと思いました。
また、やはり何事も一歩づつ着実に長期的に見すえて、継続的に行っていくことの大切さを痛感しました。

この小学校を訪れて、先生達の晴れやかな笑顔や元気で積極的な子供達を見て、心が揺さぶられた一日となりました。


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マリンバの演奏はおもてなしの心

先週の日曜日にマリンバの演奏を聴きに行きました。
SINSKEさんという日本人男性の演奏者です。

今回はSINSKEさんを応援する友人の誘いを受けて、イベントに参加したのですが、良い意味で想像を裏切られました。

演奏は静かにアメージング・グレースの曲からスタートし、そしてアフリカのリズミカルで躍動感のある楽曲に移りました。
間近で聴くマリンバの音は力強く、エキゾチックで、段々と自分の体の内側からエネルギーが立ち上がってくるような感じがあります。
そして、目を閉じてリズムに体を預けながら演奏を聴いていると、まるで違った空間の世界をさまよい歩いているような気持ちになってきます。

エネルギーが上がるなぁ、、と思いながら、あっという間にニ曲が過ぎると、意外にも「ここで休憩しましょう。ワインと食事で歓談した後に演奏はまた」という演奏者からの言葉。

えっ?途中で休憩??とやや驚きながら、食事が用意されているテーブルに移ると、ウェルカム・シャンパンが用意されていてまずは乾杯。ワイン
さらに、続いてお料理が得意という演奏者のSINSKEさんが作るワインとあわせたおつまみがサっと出てきます。

「僕はパーティ向けの一口スプーンのお料理が割と好きなんですよ~」と言いながら、見た目にも味も美しい一口スプーン



見た目にも美しいけれど、この一口スプーンがまた本当に美味しいオッケー
口に入れると、鮮度の良いよく冷えた、ウニ、キャビア、ホタテ、いくらの味がゆっくりと口の中で広がっていきます。
上下の写真、一見同じ素材ですが微妙に香りが違い、それぞれに違う風味を味わえるようになっています。



音楽って音のハーモニーとリズムの組み合わせのアートだけれど、お料理も実は似ていると初めて認識。
それぞれ違った味と触感の素材のハーモニーを、こんな風に美味しく仕上げられるのってすごいと思いました。

その後カキを使ったお料理も、松坂牛を使ったお料理もどれも一ひねり加えていて、抜群にセンスが良くて贅沢。

やはりアーティストが作る料理は違うと妙に感心していると、次なる企画はワインのブラインドコンテスト。

カリフォルニア、イタリア、フランスのワインがそれぞれ3種類用意されていて、当てるのはズバリ「お値段の松竹梅」。
来ている人はワイン好きな方もいるようで、皆、楽しんで熱中して参加していました。

途中SINSKEさんに「演奏だけでも楽しいのに、お料理まで作って出して頂けるなんて思ってもいませんでした」と声をかけると、
「僕、人に喜んでもらうのが好きなんですよ~」と力むことなく、さらっと返ってくる答えが何とも爽やか。
その心があるから、SINSKEさんの演奏って何だかこちらの心を動かされるのかなぁとふと思ってしまった。

その後、再びSINSKEさんの華やかなマリンバの演奏が始まり、オリジナル曲を演奏。

ワイン&食べることが好きな私にとっては、本当に満喫した日曜日の夕べとなりました。






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ミルちゃんが我が家にやってきた

ノルウェイジャン・フォレスト・キャットのミルちゃんが家にやってきました!
あまりに可愛くて、一目惚れしてしまいました。ハート

初めてきた家なのに、ダラーっと安心して寝ている姿をみると、飼い主の観月先生がとても可愛がっていることがわかります。


猫は耳の裏をかいてもらったり、喉をなでられるのが大好き。
ミルちゃんもなでて貰うのが大好きのようで、初めて会った私のことも怖れずに、気持ちよさそ~になでられています。
毛もフワフワしていて、思わず顔を埋めたくなっちゃいます。

今は一時的にうちの旦那さんの事務所でミルちゃんを預かっているのですが、猫好きの私のために時々こうやって連れてきてくれます。

あ~、猫が飼いたい!!!でも家を空けることが多い私には無理~ 涙

しかし、もしかしたら、ミルちゃんは猫が飼えない私に対する神様のお恵みかもしれません。
こうやって、時々でも猫と一緒に過ごせる幸せを手に入れることが出来るのですから。



その他 : 17:37 : comments (x) : trackback (x)
ワイン 味覚は不思議

ワインについて思い起こせば、
初めてレストランで頼んだボトルワインは確か”マテウス・ロゼ”だった。
20代前半、ワインを美味しいと思っても、興味関心はまだまだ薄かった頃である。

薄くて丸いボトルに入った甘くてピンク色の、微発泡性のポルトガルのロゼワイン。
会社の帰り道に銀座辺りのレストランで、女の子同士で食事をしながら飲むには、手頃でちょうど良いワインだっと思う。


今でも見かけるけれど、当時もイタリアン・レストランでは、魚の形の白ワインをよく置いていた。

ペッシェ・ヴィーノ 実は1回しか飲んだことはないけれど、スッキリ軽くてちょっと酸味のある白ワインだったと記憶。
調べてみると、このボトルの魚は「鯛」なんですよね。


しばらくして、取引先の社長に、飯倉片町の「キヤンティ」でご飯をご馳走になる機会があり、その社長がワイン好きで、2種類の赤ワイン(キヤンティ)のボトルを同時に開けて、飲み比べをさせてくれた。
「この1本は若くて緑の香りがするような赤ワイン、もう一本はもっと時間をかけた熟成した赤ワイン。全然違うでしょう?」
社長の言うとおり、2本は同じキヤンティでも、口当たりも味わいも違っていた。
”同じキャンティでも、熟成でこんなに味わいが変わるんだ~!”と、とても驚いたのを今でもはっきり憶えている。
これが、「ワインて面白い!」と初めて感じた瞬間だったと思う。


そして、その後、間もなく「シャルドネ大好き」の時代が来る。

90年に旅行でオーストラリアに行った時、転勤していた友人にハンターバレーに連れて行って貰い、ワイナリー巡りをした。
その時に訪れた各ワイナリーでテイスティングしたシャルドネがとても美味しかった。
シャルドネばかりをテイスティングしたせいで、各ワイナリーのシャルドネの違いが分かって面白かった。
サントリーに勤める友人は、大手のワイナリーを1つ、残りは小さな作り手のブティックワイナリーを中心に訪問ワイナリーを選んでくれていた。
これがシャルドネ大好きとなったきっかけ。

ワイナリーでテイスティングしているとき、ヨーロッパから来ていた旅行客の女性が、「白ワインは、フランスよりもオーストラリアの方が安定していて美味しい」と話してくれたことが強く印象に残っている。
へぇ~意外!と思いながら、話しを聞いていた。その後、日本の小売で仏と豪のワインを買うようになるとしっかり実感するのだけれど。

その時に購入した小さな家族経営のワイナリー「Mount View Estate」のシャルドネがとても美味しくて後日帰国してから追加で1ケースを購入した。
樽香が効いていて、わずかにキャラメルの香りもあり、なんてバランスが良くて美味しいんだろう!と感動してしまった。

下記は今現在のMount View Estateのシャルドネ。ボトルはコルクからスクリューキャップにエチケットもデザインが変わっている。
当時は家族経営の本当に小さくてシャビーな感じがするワイナリーだった。


シャルドネを飲み慣れてくるにつれて、段々とフルボディで重めの赤ワインも美味しく感じられるようになってくる。
よく熟成したカベルネ・ソーヴィニヨンを飲むようになり、ボルドー、イスラエル、チリなどのカベルネ・ソーヴィニヨンなど自宅で飲むようになる。
そういえば、当時西麻布の「ツバキ」で飲んだチョコレートのような深みのあるカベルネが美味しくて、何度か足を運んだ
男性のワイン好きは、成功してお金を持っている人達が多かったと思う。
彼らは、フランスの五大シャトーのワインについて語り、一緒に食事に行くと、肉を中心とした料理としっかりした赤ワインというのが多かった。
90年代にビジネスで成功した男性にとって、ワイン=洗練された趣味とステータスを示すものだったのかもしれない。

一方女子の友人はと言えば、実際のところ、30歳も超えてくるとだんだんとあっさりした魚や野菜の料理を好む人が多くなる。
女同志で出かけると、ワインは、食事に合わせて、泡→白→赤へ変遷していくのだけれど、そんなに量は多く飲めない。
だから、ボトルよりも、美味しいグラスのワインを揃えているレストランは口コミでぱっと広がる。(当時はなかなかそんな店が無いから広がるのも早い)
女子の場合、美味しいものを小さく数多く食べたいという傾向が強い。だから、ワインも同様に食事に合う美味しいワインをグラスで頼んで、幅広く楽しみたいと思う。
女子にとっては、ワインは飲み物というより、食べ物なんだと思う。
軽くてヘルシーな食事に合わせると、赤ワインはずっしりしたカべルネよりも、繊細で軽やかで華やかな香りのピノノアールを飲む機会が増えた。
また、食事を終えた後、麻布にあるブルゴーニュのワイン専門のワインバー「アルモニ」などでワインをよく飲んだ。
今思えば、当時は今のように、安くて美味しいワインを揃えているレストランはなかったと思うし、美味しいグラスワインの揃えについて言えば、あまり無かった。

また、その後、赤ワインはオーストラリアのシラーが好きになったり、ナパに行けばプチヴェルドーや、ルヴィヤット、マルベック、ジンファンデルも好きになった。
以前は好きではなかったラングドックのグルナッシュも美味しいものを発見し、今では大好きなぶどうの一つである。
イタリアでワイナリー巡りをしてからはトスカーナのサンジョベーゼ、ブルネッロ、メルローとサンジョベーゼのブレンドや、アリアニコ、プリミティーボなども好きになった。
イタリアにはワイン用のぶどう品種が500種類以上あるらしいから、美味しいワインはきっともっと沢山あるのだと思う。がーん

白ワインも、シャルドネ以外にもリースリング、ソーヴィニヨンブラン、ゲベルツトラミネール、マスカット、甲州、ピノグリとどんどんと好きなぶどうが広がり、色々なワインを飲むにつれて、その個性や特徴が面白いし美味しいと感じられるようになった。

このワインの味覚の広がりは、子供のころに嫌いだった食べ物が好きになるのとちょっと似ている。
勿論美味しくないと感じるワインは今でも沢山あるけれど、一つひとつのぶどうが持つ個性や地域性を最大限に発揮出来ているワインはやっぱり秀逸、美味しいと感じる。
ずっと昔はシャルドネが好きで、それ以外の白ワインはあまり飲まなかったが、今では飲みたいぶどう品種が沢山あって迷ってしまう。
それぞれの個性を楽しむのがやっぱり面白い。

そして更に言えば、飲む回数が増えるにつれ、これまで体験していない特徴のあるエキゾチックなワイン(といってエキゾチック過ぎない)を、期待するようになる。
私の場合でいえば、断然エキゾチックさを感じさせるのは「香り」である。
大分県の安心院ワイナリーのシャルドネを飲んだ時はややショックを受けた。
ほんのわずかだけれど、シャルドネの香りの中にカルダモンのような不思議なスパイシーな香りを感じた。
なぜ????と思って調べてみると、実はこのワイン、海外のワインコンテストで賞を取っていたりする。
こんな風な驚きがあると、ワインとの出会いがまた楽しく感じられる。


ワインを好きになってから食事を楽しむ喜びも広がったが、ワイン好きの友とのワインを飲みながらの食事は最高。
何より美味しいを共感し、共有できるというのは喜びが倍増するのだと思う。

ワインは国を超えて人と人を繋ぐ力もある、素晴らしい食べ物と言いたくなってしまう。

その他 : 11:20 : comments (x) : trackback (x)
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