Main |
2011-02-28 Mon
知合いに金森さんという、とてもワイン通な方がいるのだけれど、ご自宅で開く「イタリアワイン・フェスタ」に招かれてしまった。
やっぱり通なだけあって、ワインの選び方がうまい。
泡物から始まり→白→赤と流れは普通だけれど、
赤についてはスーパートスカーナと呼ばれているワインに的を絞っている。
こういう風にテーマを決めて選ぶと、ワインの味比べが面白くなり、楽しさが増すと実感。
でも自宅でパーティを開いたときに、イタリアワインをこんな風に選んで準備できるって、そもそもどれくらい保有しているんだろうか?
それにワイン通ということは、フランスのワインだって、沢山持っているはずだし。
と興味が湧いてしまった。
そこで、思わず
「一体、どんな風にワインを保管しているんですか?」と質問してみると、
「自宅に数百本、エノテカの倉庫に500本預けているんですよ」とおっしゃる。
さらに
「エノテカの仕組みって便利でね、届けてもらうように手配すると、そのまま自宅に届けて貰えるし、売ろうと思えばその倉庫からそのまま出荷できるんですよ」
「へぇ~そんな風に保管する手があったのか」と内心感心してしまった。
そして思わず、心の中で私もそんな風にワインを沢山持ってみたいなぁ、、とちょっと思う。
ところで、話しはスーパートスカーナのワインに戻るけれど、
そもそもスーパートスカーナというワインがあること自体、イタリアに住む人たちを象徴しているようで面白いと思う。
イタリアって、とても保守的な面と創造的な面を合わせもっている国だと思う。
例えば、石を使った建築なので、イタリアに限らずヨーロッパの国の多くはそうなんだろうけれど、街の中に古代の遺跡があったり中世からの建物がしっかりと存在する。そして街並み自体も昔と変わらない場所も多い。
そういう日常的な景観を通して、歴史や建築の壮麗さに触れて育つ人間は歴史に誇りを持つし、ある意味それを"守ろう"とする側面が強くなるのだろうと思う。
さらにその守る影響は料理に関しても及ぶのか、イタリアは料理も保守的で、日本のように各国料理のお店が沢山あるなんてこともない。
地元にある素材で、年寄りも若い人も子供もみ~んな、昔ながらの地域のお料理を楽しんでいる。(飽きないのかね?)
けれども、そんな保守的な側面とは逆に、グッチ、フェラガモ、ドルガバなど世界のファッションをリードするブランドがあり、モダンでハイクォリティな家具を作るなど、創造的で斬新なイメージもある。
さてワインについてですけれど、
イタリアを始めヨーロッパのワイン法では、格付けされるために、歴史的にその場所で栽培されていたぶどう品種を使うように基本的には定められている。
そもそも、ニューワールドのワインと違い、長~い歴史と伝統がありますし。
(大体、世界にワイン作りを広めた国はイタリアである。古代ローマのガリア地域などへの遠征に伴い、ローマ軍の兵士達が傘下となった地域にぶどうの木を植えてワイン作りを行ったといわれている。)
しかし、トスカーナの作り手たちは、国で定められたものを無視して、フランス・ボルドー原産のカベルネ・ソーヴィニヨンなどの品種を植えて、単独もしくはサンジョベーゼとブレンドして、とっても良品質なワインを作り出してしまった。それが世界的に注目されて、"スーパー・トスカーナ"と呼ばれて、格付けを超えて大人気となる。
また、同じくトスカーナのキヤンティでは、赤ワインに白ぶどうを混ぜて醸造することが義務付けられていたけれど、やはり同じように反発する生産者がサンジョベーゼ100%の赤ワインを作ってしまい、それが評価を得て今では"スーパートスカーナ"に含まれている。
そしてここがなんともゆるい部分でいい感じなんだけれど、
日本でも有名な"サッシカイア"などのワインは、成功を後追いする形で、イタリアでは格付けである「DOC」に認定してしまって、フランスなどの国から"エッ?"と驚かれていたりする。
古代ローマの歴史を振り返っても、この国の人たちは、ロジックや法律を重視するけれど、解放性が高く、いい意味で「寛容」である。
いい国だなぁ~。
そうやって考えてみると、
保守的であることで、ある種押える力が働くので、探究心が強く意欲的な人ほど、それに反発する部分が掻き立てられると思う。
反発するエネルギーは強いので、いいものを創ろうという意欲をさらに高めることになると思う。
だから、創造的で新しいものが出来上がるのもしれない。
そう、自分を振り返ってもそうだった。
やっちゃいけないと云われると、益々やりたくなる。
今、私にもう仕事なんてしてはいけない、やめなさいと強制する人が身近にいたら、もっとバリバリ仕事をしているのだろうか(笑)
by bandoh
徒然なるままに : 16:48 : comments (x) : trackback (x)
2011-02-01 Tue
随分、ブログをご無沙汰してしまいましたが、ようやく更新します。
昨年最後の更新したのが、11月ですから、何と2ヶ月ぶりになります。
今年の初詣は神田明神へ(実は初めて)
サラリーマン風な上司、部下と共に集ってきている感じの人が多くてビックリ。
さすが商売繁盛の神様。
境内が案外猥雑でお祭りっぽく、お酒飲んで一杯気分で楽しそうな人たちが多い。
何だかこちらも誘われて楽しい気分になる。
初詣の厳粛さよりも、エヘラエヘラが勝つので、「私たちも後で一杯飲もうよ!」と旦那さんをけしかける。
報道関係の人が賽銭箱の前からパシャパシャ撮影しているのも驚き。
何か一瞬、手を合わせて拝むのを躊躇してしまった。
ちょっとありがたみが薄れるので、やっぱり正面からの撮影は遠慮して欲しいなぁ。
さて今年、2011年は私にとって「変化」の年→と定義づけている。
今まで出来ていなかったことなどに、取りかかろうと思っています。
一つは「女子会ネットワーク」をスタートすること。
これはライフワーク的な関わりに発展できたらいいなと思っています。
そんなことを考えて、色々と周りの女性の友人達に相談していると、色々な意見を貰えるので、自分のやりたいことがだんだんと見えてくるから面白い。
それとたまたま私の周りには、「自分の仕事を立ち上げたい」とか「ライフワークとなるような社会に役立つ活動をしたい」という女性が多いのかもしれないけれど、活動の話しをすると、「それいいわねぇ~、ぜひ参加してみたいわ!」なんて賛同の声を貰えるのがまた嬉しかったりします。
以前から女性支援については尊敬する先輩から薦められたこともあり意識していたのですが、企業のリーダー育成を仕事で行っていて、その中では男性が圧倒的に多い。
また、男と女という風に分けて考えるのもなんとなく好まない。
どちらか一方のみを支援するということを表明することで、自分自身を狭い範疇に閉じ込めるような感じがして、避けていた部分もありました。
「女性を対象に仕事をしている坂東さん」とか「女性の権利を主張する人?」などというレッテルを貼られることへの恐れみたいなものもあるかもしれない。
ただ年齢的に自分のライフワークをだんだん意識するようになったことで、考え方にも変化が出てきました。
女性が活躍することで、日本のビジネスも社会にも、もっと多様性が広がり活性化するだろうし、昔よりも社会に対して影響力を持つ女性が増えてきているのだから、女性同士が繋がり支援しあうネットワークは、やっぱり社会貢献的な価値を生むだろうと。
何はともあれ、ピンときたこと、やりたいことをやった方がいいかなと思うようになりました。
まずは、最初から枠組みをすべて決めないで、周りの女性と相談しながら活動を広げていきたいと思っています。
さてその女子会の活動とは関係なく、先月の22日(土)に昨年からプランしていた内輪の「交流会」を開きました。
この会は、男性のスピーカー二人に「日本の伝統や文化」について対談して貰い、
その後、ゲストとスピーカーとで、今の生き方やあり方を考えるということをテーマにディスカッションを行いました。
スピーカーは、京都の着物と和に関するコンテンツを紹介する山龍の山石康裕さん、そして、GTパートナーズというマーケティングの会社で、映像やイベントの企画を行っている近衛忠大さん。
近衛さんは、伝統や文化ということでは、宮中で毎年行われている「宮中歌会始め」などを通して、伝統文化の継承を担っていくことをしています。
山石さんは、着物の制作と販売を一環して自社で行いながら、京都の職人さんを始め若手の育成を行い技術の継承に貢献しています。
二人の対談から、日本で長く受け継がれてきた優れた技術や文化の継承が、実はかなり難しくなってきているというのをヒシヒシと実感。
またそれと同時に、山石さん、近衛さんのように、きちんと責任を担って現実に活動している方がいることで、何とか繋がっていることを知るにつれ、お二方に対して敬意の念が湧いてきます。
めまぐるしく変化する社会の中で、気をつけないと祖先の人たちが持っていた、価値ある大事なものをズルズルとなくしてしまうかもしれない。
それは着物や和歌や能といった表に現れるものだけではなくて、その下にある、自然そのものの移り変わりと、その美しさ儚さを感じ取れる繊細な感性や、生活の様式など。
「実は他の国の支援に目を向けている場合ではないかもしれない」
という意見を持っている人もいましたが、本当にそうかもしれない。
お能や歌舞伎を観にいくだけでなく、香道や着物など体験できるものにトライしようかなぁ、、と考えてしまいました。
まずはやってみなくては、何も始まらないし。
交流会は、その後、築地でケータリングをしている吉川玲子さんの食事で第二部へ
玲子さんのセンスを生かした和とエスニックなテイストを組合わせた、とっても美味しい食事を頂きながら歓談。
対談後のディスカッションで、同じ問題を共有して考えたことで一体感も増したせいか、
1月から初対面の人が多い中、とても楽しい交流会となりました。
次回、築地牡蠣フェスタの企画もあがり、交流はさらに深まりそうな予感。
女子会ネットも、こんな風なオープンで他の愉しい環境を作りたいものです。
by bandoh
徒然なるままに : 11:31 : comments (x) : trackback (x)