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2009-05-17 Sun
東京で暮らしていて良いと思うことの一つに、文化面、イベントが数多いという点ある。
コンサート、ミュージカル、芝居、展覧会、スポーツなど、いつもどこかしらで何かが行われている。
母の日の親孝行として、東京国立博物館で開催されている"カルティエ展"と"阿修羅展"へ行くことにした。
カルティエ展は、知合いからすごく良いという評判を聞いていたので、母がとても行きたがっていた阿修羅展と合わせて行けるのは、親孝行ついでにラッキーと感じる。
上野にある会場に着くと、予想はしていたけれど、会場はかなりの混み具合。
阿修羅展は入場制限をしていて待ち時間は、何と50分もある。
会場に目をやると、ディズニーランドの人気アトラクションを待つがごとく、入り口前には4列に並ぶ人のラインが幾重にも折り返しながら、延々と続いています。(はぁ~)
私と母は、取り合えず"阿修羅展"に並ぶのを避けて、入場制限をしていない"カルティエ展"へと足を運ぶことに。
しかしながら、カルティエ展もやはり混み混み。
(仕方ありませんね)
吉岡徳仁さん監修の展示は、1階の18世紀のコレクションからスタートし、進むごとに年代が進み、最後は未来へと繋がっていきます。
燦然と輝くダイヤモンドのティアラや、ブローチ、ネックレスなど、どれを見てもため息が出るほど美しい~
インドのマハラジャのネックレス
実際に見ると、かなりの大きさで男性の胸の3/4を飾る位の大きさがあります。
石の大きさや繋ぐチェーン、インド的な要素を取り入れたデザインが印象的でした。
マハラジャ達との交流から生まれた作品で、後に新しいカルティエのデザインと発展していったようです。
女優マリア・フェリックスのバングル
このバングル、結構大きくて、いったいどんな風につけるのだろう...と思ってみていたら、2階の展示では、ジェエリーの背景の空間に、投影されて浮かぶように、写真画像が浮かんでは消えます。
画像の中に、そのバングルをつけた、マリア・フェリックスの写真が繰り返し出てきます。
ストールを首に巻いて、その上からこのバングルをつけていました。
このジュエリーの存在感に負けることなく、微笑んでいる姿がすごい。
私は展示の中では、モナコ王室蔵の故グレース公妃のエンゲージ・メント・リング、ブローチ、ブレスレットが一番好きでした。
それと、グロリア・スワンソンがとても気に入って身に着けていた、クリスタルと、バゲットカットのダイヤモンドを組み合わせたブレスレット。シンプルなシェイプながら、本当に綺麗に光輝いていて、透明感があり、美しい....。
そして、未来の展示へと繋ぐ展示室には、カルティエの工房で製作される、ジュエリーのメイキング・フィルムが流されています。
デッサンから始まって模型を作り、その後の数多くの細かくて厳密なプロセス、とても分かりやすく紹介されています。
このフィルムは見逃さない方が良いと感じます。
伝統として古くから受け継がれてきている技術の厚みを感じました。
日本では、やっぱりジュエリーの歴史が浅い分、こうしたカルティエのような職人達が持つ技術は、まだないのだろうと思います。
カルティエの後は、覚悟を決めて阿修羅展へ。
待ち時間は「40分」へと短縮されていました。
夕食の予約を入れた時間と照らし合わせると、う~ん、心配。
1時間位遅刻してしまうかも、、と、並びながら母と相談していると、
阿修羅展のリピーターと思しき、ご夫婦やおばあさま方が、親切に色々と声をかけてくれます。
「大丈夫、40分っていったって、それよりも早く入れるさ。いつもそんなもんだ。」
「今日はね、阿修羅像を中心にして、それだけじっくりと見ておいた方がいいよ、他の展示物はいつでも見れるからね。」
なるほど、、、。
確かに、オジサンの言うとおり、30分もたたずに入場できることになりました。
母と私は、パンフレットを手にすると、興福寺と中金堂の鎮壇具は、人の頭越しに早めに鑑賞しながら、阿修羅像の展示コーナーへと向かいます。
「薬上菩薩立像」、「薬王菩薩立像」、「持国天立像」、「十大弟子」と「八部衆」の仏像の素晴しさ!もう圧巻です。
並んだ甲斐ががありました。
本当に毎回心から思いますが、お寺の中で見るよりも、仏像は圧倒的に展覧会で見た方が綺麗。
お寺では薄暗く、よく見えない仏像も、展覧会ではスポットライトを浴び、360度からぐるりと、その彫や色をじっくり見ることができる。
美しく端整で決意を感じる「阿修羅」の顔
3つの顔の一つ一つに表情があり、内面の迷いや葛藤、決意などを感じます。
当然ながら一番人気はこの阿修羅像なので、ものすごい混みを体験しました。
ともかく、色んな展示会に行きましたが、あれほど人から押された経験は初めてでした。
幼さの残るふっくらとした可愛い沙羯羅像(さからぞう))
もう、時間があれば、何時間でも一体づつゆっくりと、眺めていたいと感じました。
ちなみに、カルティエ展は5月31日、阿修羅展は6月7日までです。
ご興味のある方は是非!
たとえ混んでいても見る価値ありと思います。
by bandoh
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