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2009-03-19 Thu
自宅の近くには、斜面に沿ってうっそうとした「竹林」がありました。
歩いている途中、いつもその竹林の所に出ると、奥には何か野生の獣(たぬきなど?)がいるのではないかと思い、毎回思わずジっと見てしまっていました。(都内にいるわけないんだけどね)
この地域の家は、どこも庭に「花」や「木」を植えて(猫の額のようなどんな小さな庭であっても植えています)、季節にそってそれぞれの表情を創り、近所の人を楽しませてくれています。
その家の一軒に、私が「秘密の花園」と名づけた家があります。
その家は、日本では珍しい、淡いグレーに近いペールブルーのペンキに塗られた洋風で清楚な感じのお宅です。
そして広い庭には、絡まって伸びるツタなど、無造作で野生化したように見える、花々や木々が植わっています。
家同様に洋風で無造作なその庭は、うっそうとしていて微妙に侘びさびのある枯れた風情をかもし出しています。
そして、目を凝らしてみると、その奥にひっそりと、やはり同じペールブルーのガーデンテーブルと椅子が置かれています。
その家がミステリアスなのは、いつもシーンとしていて、窓はぴたっと閉じられカーテンが下がり、人が住んでいる気配がないことです。
しかし、その庭の花がわずかに手入れされている痕跡を見ると、人が住んでいるとしか思えません。
毎回この家の前を通るたびに、ある日、国籍不明な感じの白髪のおばあさんが、花バサミを手に出てくることを期待しつつ、竹林同様、ジっと見入ってしまいます。
こういった庭や竹林、そして畑(生産緑地)は、家の近所の「のどかさ」を醸し出す大事なパーツに思えます。
(ちなみにWikipediaに写されている生産緑地の写真は家のご近所です)
これは収穫の時期になるとやってくる小学生
「農業体験」なんでしょうが、大根とかお芋とか掘って帰るようです。
でっかい大根ですよねぇ~。大蔵大根という種類のようです。
ちなみに、ここの畑は、自宅の隣なのですが、畑横のテーブルの上に毎日収穫物が並んでいます。("世田谷育ち"と言うブランドです)
無人なので、置いてある箱に100円を入れて作物を持って帰れます。
先生も指導大変ですよねぇ。もしかしたら畑のお兄さんかもしれません。
女の子が重そうなスコップを持って、掘っています。
頑張った後は、皆でお弁当を広げて食べています。
この時期に入ると、「秘密の花園」や近所ではミモザが咲き始めて、綺麗な黄色が心を浮き立たせてくれます。
さて、その近所に、最近大変残念なことが起こりました。
今年に入ってからですが、その大事なパーツである竹林がすっかり伐採されて、変わりに斜面がむき出しになってしまったのです。
小田急電鉄が所有する土地となった(元々所有していたのかもしれません)ようなのですが、宅地のための「造成工事」が始まったからです。
フェンスが張られ、トラックやシャベルカーが入ったかと思ったら、しばらく経って、あの「日本昔話」に出てくるような竹林は、姿を消してしまいました。
まぁ、人が住む以上、仕方のないことだと思いますが、本当に心から残念です。
自分だってそうやって造成された土地の上に住んでいるわけですし...。
こうやって、いつも近くにあると当たり前だと思っているのでその価値に気づかないのですが、無くなってしまってから「あぁ~」気づくことってありますよね。
これは、近くの木を撮影した写真です。
ドンドン開発されて、寝ぐらや捕獲などのテリトリーを失っている鳥達は、わずかに残されている木に密集しています。
ピーピー、ギャーギャー聞こえてくる鳥の鳴き声が、最近のエサ不足を嘆いて怒っているようにも聞こえます。
何だか、こうやってみると木に「鳥の実」がなっているようですよね。
家の隣の畑が、開発される話しを聞いたら「引越し」かなぁ~
by bandoh
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