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人生のコーチング ムハマド・ユヌス氏の講演

日曜日に、ノーベル平和賞受賞者の「ムハマド・ユヌス氏」のセミナーに参加しました。

タイトルは「貧困のない世界を創る~ソーシャル・ビジネスと新しい資本主義」です。

以前、ハリウッド女優の「ナタリー・ボートマン」が特集された番組を見たときに、彼女が「マイクロ・ファイナンス」を通して、貧困層の女性の支援をしていることを知り、そこで初めて「マイクロ・ファイナンス」という言葉を聞きました。

マイクロファイナンスは、どちらかといえば、ハリウッドのスターが、自らのイメージを高めるための救済活動としては地味で、華々しくマスコミで取り上げられることが少ないのだが(アンジェリーナ・ジョリーがアフリカの子供達を抱いている写真みたいな"絵"になるものもないですからねぇ)、確実に支援を受けた女性が自立していける手法として印象が残った記憶がありました。(ナタリー・ボートマンの知的なイメージと噛合っています)

ユヌスさんは、その「マイクロ・ファイナンス」を創った人なので、今回はかなり高い期待を抱いてこの記念セミナーに参加しました。



ムハマド・ユヌスさんの講演は、予想以上に意義のあるものでした。
天気の良い日曜日の午後に、外で遊ばずに来た甲斐がありました。オッケー
すっかり、ムハメド・ユヌス氏のファンになってしまいました。ぽわわ

彼が始めた「マイクロ・ファイナンス」や、その後に続く「ソーシャル・ビジネス」の「社会的意義」や「独創性」もありますが、信念を持って幾多の困難を乗り越えたその「姿勢」と「哲学」、「先見性」には驚かされます。

まず「マイクロ・ファイナンス/クレジット」を初めて聞いた方のために、少し注釈すると。

グラミン銀行が始めた「貧困層」を対象に行った小額のローンです。
20ドルとか40ドルを借りて、1年間で返すことが基本です。

ローンを行っているグラミン銀行(ユヌス氏が創設)は、通常の銀行とはルールと仕組みがまったく違います。

・まず、通常の銀行では貧困層の特に女性にはお金を貸しませんが、グラミン銀行では貸しています。
・また通常の銀行が行っている審査(過去を問うこと)をしません。過去に不履行や犯罪などの経歴があっても貸します。過去ではなくその人が何をしたいかを問います。
・借り手に担保などは要求しません。(ないですから)
・また、グラミン銀行は、経済状況などの変化で、途中で「借り手」が苦しくなり、「返済が滞るような状況」が起きた場合には、返済額を変える、償還期日を延期するなど、「柔軟に対応」します。

グラミン銀行の基本的な理念は、「貧困層にある困っている人たちを支援すること」です。
そして「人々の自立を促していくこと」です。
ユヌスさんは、「我々は貧困で苦しんでいる人たちに、更に鞭打つようなことはしない。」と言っています。

ビジネスですから、利益を生み出さないと継続していきませんので、勿論銀行は利益を出しますが、配当については利益をつけません。
元本はお返しするが、無利子/利益です。しかし、もちろんグラミン銀行の預金者には利益は付加されます。預金については年間10%の利子がつきます。(私たちも東京から"預金したい"ですよねぇ。)

このマイクロファイナンス/クレジットにより、「字も読めず、一生奴隷のように生きていくしかなかった貧しいシングルマザー」が、小額のローンによって商売を何とか始め、自立し生きていく道を切り開いていきます。そして、自分の子供に教育を受けさせるお金を、グラミン銀行から借りて子供達に高等教育(大学まで)を受けさせることができるようになっていきます。貧困からの脱却です。

また、グラミン銀行のデフォルト率(債務不履行)は約0.5%だそうです。
厳しい審査を経て貸付を行っている日本の銀行の債務不履行が1%以上あることを考えると、貧困層を対象にしたグラミン銀行の0.5%は凄いことだと思います。

ユヌスさんは米国の大学への留学後、国(バングラデシュ)に戻り、貧困にあえぐ人たちをなんとかしたいと思っていました。
しかし経済学の博士号を納めた彼は知識は持っていましたが、すぐに優れた理論があっても何の役に立たないことに気づきます。
目の前で飢餓によってドンドン死んでいく人を見ながら、その人たちを救うためにどんなことをしたらよいか全く分からなかったそうです。
そして、教科書を捨てて、学んだことの全てを忘れようとしました。

そして、彼は大学の隣にある村に足を運び、そこの住民の話しを聞き実際何が起きているのかを知ろうとしました。
実際に見聞きして調べるうちに、驚くべきことにあたります。
「高利貸し」から、お金を借りている貧困に苦しんでいる人たちのことです。
生活のためにわずかな金額を借りて、1週間で10%もしくは1日10%というような高い金利を払っている人たちです。
そのために、生活を縛られ、ほんのわずかなお金で生きていかなくてはならなくなっていました。
一生懸命働いても働いても、システム上借金がかさみ、その苦しみから解放されるのは死しかないという悲惨な状況です。

調査を進めると、そうやって「高利貸し」からお金を借りて苦しんでいる人たちが、村には「42名」いたそうです。そして、なんとその42名の「借金の総額」は、たったの「27ドル」だったそうです。

ユヌスさんは、たった27ドルの利子を払えずに、一生搾取され、奴隷のように働かされる人々の境遇にとても胸を痛めました。

そこで、ユヌスさんは「解決策」を考えます。
彼らの代わりに、彼がその27ドルを払ってあげることに。
そして村人達は自由になり、ユヌスさんは大変村人達から感謝されました。

「だったら、もっと出来ることがあるんじゃないか?」とユヌスさんは考え始めます。

それが、貧困層の人たちへのローンを始めるきっかとなりました。
そして、そこに行き着くためには、長い長い道のりがあります。

ユヌスさんは言います。

「私は銀行のことなんて、何も知らないから、枠にとらわれずに考えることができた。」
「既存の銀行を調べて、全てその逆のことをやってみた。」
「ビジネスにおいて人は、"人間というものを狭く定義している"。人間というものはもっと広くて独創的だ。利益を追求する人もいれば、社会のためにもっと貢献したいと思っている人だって沢山いる。」
「人は皆、"可能性を秘めている。"その潜在的な能力を引き出せば、誰でも必ず自立し成功できる。そして自らのビジネスをスタートできる。」
「今の会社は、利益の追及が目的となっている。本来は利益はその結果でしかないはずだ。責任ある利益の拡大化が必要だ。」
「政府にだけ頼っていても駄目だ。政府はやりたいことをやればいい。政府は本来構造的に早く動けない、また捨てられないものが沢山ある。だけど人は自由ですぐに動けるし、止めようと思えばすぐに止められる。だから問題は我々自身が解決できる、自分自身についてあきらめてはいけない。全ての個人は"企業家"なのです。」

おそらく、彼の理念と信念に触発を受け、社会に役立つ、"ソーシャル・ビジネス"を始める日本人の若い人たちが、これからはもっと増えてくるのではないかと思います。
セミナー会場にも、すでにソーシャルビジネスを始めようとしている20代の女性や、バングラデシュでグラミンのやり方やソーシャル・ビジネスを視察し学んできた20代の若者がいました。

私自身は、今回のムハメド・ユヌスさんから、「人には必ず可能性がある。その力を持っている」と信じるパワーを貰いました。
コーチングにぜひ、生かしていきたいです。オッケー








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