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2008-12-08 Mon
昨晩、浅草で"シタール"と"タブラ"の演奏を聴きました。
会場はギャラリー・エフという「土蔵」を生かした場所で、浅草駅を出てすぐ近くにあります。
"土蔵でシタールを聴く"ということに、私は一番興味を惹かれました。
お店に入りドリンクを頼んで待機していると、
整理係りの女性がお店の一番奥にある土蔵の扉を開きます。
予約を入れた順番ごとに名前が呼ばれ、1組づつ土蔵に入り、希望の場所に座ります。
Aki UedaさんとU-zhaanさんによる、インド古典音楽の演奏の始まりです。
土蔵の扉をぴたりと閉じ、照明を落とすと、静かに細くシタールの音色が滑り出します。
シタールは邦楽と同じで楽譜がなく、師匠から口伝で継がれるものだと記憶しています。
師匠が声で奏でるメロディーを、弟子がシタールで弾いて表現します。
そうして曲を積み重ね演奏していくのを、ガイアシンフォニーの6番で観ました。
シタール奏者として最も有名なラヴィ・シャンカールと、その娘アヌシュカが奏でるシタールの場面です。
ちなみに、あまり知られていないようですがラヴィ・シャンカールはノラ・ジョーンズの父親でもあります。
ですからノラ・ジョーンズの才能は親譲り。またもう一人の娘、アヌシュカのシタールのCDも、グラミー賞にノミネートされています。
タリラルラリ リラリルララ~
タリラルラリ リラリルララ~
何度か同じメロディーを繰り返しながら、シタールが暗闇の土蔵全体に広がっていきます。
そして静かに、タブラの鼓動がそれに続きます。
密閉された土蔵の中では、どんなにひそやかなタッチのタブラの音も、全て聞こえてきます。
まるで自宅のリビングで二人の演奏を聞き入っているかのよう。
海の揺るやかな波の動きに、身を預けて漂っているような心地よさがあります。
そして......途中から、不思議なことが起こり始めました。
なぜかインド的なシタールの音が、三味線の音のように耳に響いてくるのです。
目をつぶって聴いていると、シタールの音色の中で、私は着物を着た武士になり、夜のとばりを必死に早足で駆け抜けようとしているイメージが浮かんくるんです。
曲はテンポを増し、それと共にとてもリラックスした躍動感(変な表現ですけど)が沸き起こってくるのですが、私は武士で夜に山中にいるんです。
そして、それはどうやら三味線を連想させるシタールからおきていると感じました。
西洋の弦楽器とは違う、シタールの弦を爪弾いた後に残る引っ張るような物悲しい音色。土蔵の中だとその音がCDで聴く時よりもハッキリと響いて聞こえます。その引っ張るような物悲しい音色が三味線を連想させるのです。
"土蔵の中でのシタール"は、そんな不思議な感覚を呼び起こしました。
さてこの後、私たちは人形町に移動してスペイン料理の"スパニッシュバー・ソル"へ行きました。
麻布の"バルレストラン ミヤカワ"も美味しいと思いますが、ここもかなり美味しい。
お料理の費用対効果で考えるならばこちらに軍敗が間違いなくあがりそうです。
さらに読みたい方は、私の"お薦め情報"を開けてください。
by bandoh
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