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2008-11-29 Sat
金曜日は以前コーチングを行っていた某企業の元役員Iさんと、その企業の女性管理職S嬢と三人で会うことに。
元役員Iさん、おそらくご本人は笑いを取るつもりは全くないと思いますが、その言動で周りにいる人を思わず笑せてしまう"天然?"な方で、枠にはまらないキャラクターの濃い方です。
彼のいた会社でリーダー層のコンピテンシー(優秀性の基準を示す行動特性)を決めたところ、Iさんは、ことごとくそのコンピテンシーにはまらない部分が多かったものの、部下からの人望、好かれ度、現実の業績(数字)を上げてくる確度は断トツでした。
時々かなり飛んでいて??と思うことを言ったかと思うと、ある時には誰もが驚くほど鋭い解析的コメントを呟くなど、他の人には真似できない何かを、いや動物的なカンを持っている人です。
そのIさんがこれからの自分の今後を強く語る姿を見て、変わっていないなぁとコーチングをしていたことを思い出しました。
一度腹を決めて口にしたことは必ず実行する方です。
さて本日は人形町にある割烹"吉星"きちせいで会食。
コースを頼むのはやめて、旬で美味しいものをそれぞれ頂くことに。
ど~んとふぐ刺し
今が旬の香箱蟹、的矢牡蠣、ウニと湯葉刺し、アン肝、蒸しあわび、海老芋など頼みます。
色々なお皿に舌鼓を打つ私とS嬢のそばで、何かソワソワと落ち着かない様子のIさん。
「さぁ、そろそろお終いにして、次のお店に行くぞ。坂東さん、近くにあるいいクラブがあるんですよ。」とIさん。
「クラブ? それって、Iさんが会うとデレデレする"美人ママ"のいるお店のことじゃないですか?」とS嬢
「なんだ!その言い方は 相変わらず一言多い奴だ。いや、そうじゃないんですよ、坂東さん、面白い店でねぇ~、カーネギーホールに出演したことがあるんですよ。」
カーネギーホールに出演って、店が、、?
この辺りの会話が、Iさんの不思議さなんですけれど....
「とにかく、いいから、さっ、もう出るぞ!」と、
Iさんにせきたてられて、「吉星」を後にすることに。
お店を出てほんの少し歩くと甘酒横丁に出ます。
そのクラブ「健」は、甘粕横丁に面したビルの3階にありました。
小ぶりな感じのお店の扉を開けると、カウンターとお花、2組のお客が座っています。
そして愛想の良い笑顔で和服の美人ママが出迎えてくれます。
なんだか昔、会社で上司に連れて行ってもらった銀座のクラブを思い出し懐かしい感じ。
Iさんのキープしているウィスキーを、各々飲みたいスタイルで頼んでまずは乾杯
私の左隣には社長風のパリっとしたスーツの男性が、和服の向島の「芸者」さんと一緒にお酒を飲んでいます。
(後でママの妹さんと判明)
右側には、やっぱり「経営者」か「オーナー風」の初老の男性が二人で座っています。
そして、私はこの直後から、この店の"強烈な個性"を目にし、圧巻されるのでした。。
まずはカラオケに会わせて「演歌」を唄うお客さん。
その横で熱心に「尺八」で伴奏するお店の若い女の子。
その「尺八」にはただならぬ力強さと迫力があり、「尺八」の存在感にお客さんの声がかすれていくような....。
お客さん尺八に負けじと声を出すため、血管が拡張し顔が赤らむ、梗塞とか、溢血とか...あの..
そして、彼女の「唄」の順番が。
曲目はやっぱり昭和の「演歌」、一番は「尺八」で演奏。
孤独や、貧しさを生きる人生の物悲しさを、励ますように響く「尺八」のポォー~♪
曲の二番になると、険しい顔で早変わりのように熱唱し唄います。
そして間奏には、直ちにまた切り替えて尺八を。(サービス精神が旺盛)
(ちなみに彼女、東大卒でドイツ語を話すそう、ドイツ語の翻訳もやっているそうな)
賢くてやさしくてサービス精神がある
やっとIさんの待ちに待った唄の順番が回ってきて、エヘヘという感じ。
(美人ママから、マイク渡されてましたからねぇ)
生演奏をしてくれる「先生」に頼んで演歌の曲をリクエスト。
そしてイントロが流れたと思ったら、、、、突然「芸者さん」が飛び入りで唄に合わせて日舞?を!
唄に合わせて男と女の間の機微を、艶やかにしっとりと踊って見せ、
気づくと私たちは一同Iさんの唄ではなく、芸者さんの踊りに目が釘付けに。
その押出し、年季の入った踊り、インパクト満点。
続いてお店のもう一人の女の子が、やっぱり"人生の物悲しさを語る演歌"を、
彼女時に人にセリフを言い聞かせるように語りながら、音量のある声で唄いあげます。
物静かで可憐な雰囲気の人ですが、唄いだすと強くはっきりした抑揚の声に、場はすっかり彼女の世界に包まれます。
「あ~ぁ~ぁ、かもめよ~♪」
同僚が「尺八」吹くんだから、やっぱりこの位個性出せないと沈むだろうなぁ~
芸者さんは、やっぱり、唄って踊ります。
男気たっぷりでカラっと気風の良さを表現する歌は踊りと共に演劇を見ているようで、
昔、映画で観た美空ひばりがこんな感じだったような気も。
ともかく、今宵はどっぷり、人形町の甘酒横丁で"昭和"の濃~い男と女の人間模様、苦節を辛抱・乗り切る人生にタイム・スリップし浸り堪能したのでした。
「就職内定取消し」に翻弄され、正規に就職できずに苦しみ「蟹工船」でも読んでいる若者よ、この店に来たれ。
昭和の「人の情」と「逆境を生きる」エネルギーに、魂が癒され力づけられようぞ
by bandoh
コーチング : 11:59 : comments (x) : trackback (x)