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2009-11-11 Wed
父が生きていた時は、母と三人でよく山中湖か箱根に紅葉を楽しみに出かけていた。
大体11月の第1週の週末であったと思う。
今年は、従姉妹と母と私の三人で出かけた。
運の良いことに、今年は先週末が、紅葉の見頃の時期と重なったようだ。
赤く燃えるようなもみじと、楓の色が折り重なってものすごく綺麗である。
この日は、思った以上に気温が高く、山中湖に着いたら、車の幌を上げてオープンにしてドライブすることにした。
車の幌を上げて、エンジンをスタートさせてから、後ろのシートに座っている母をバックミラーで確認すると、オレンジ色の花柄のスカーフを〝マチコ巻き〟にして、めがねをかけている。
ふと、その母の姿を見て、何かに似ていると気づいた。
はっきりと思い出せないけれど、何かによく似ている。
こういうことを思い出せないって気持ち悪い。
しばらく運転しながら、記憶を辿っていたらようやく思い出した!
マトリョーシカである!
あのロシアのお土産に出てくる、人形の中に人形が入っていて、またその人形の中に人形が入っていてと延々と続く、一度見たら絶対に忘れない木製のお人形である。
そう、あのマトリョーシカに似ているのである。
母は首が短いせいか、スカーフを頭からマチコ巻き風に巻いても、首のところで細くならずに、頭頂部から流線型のようなシルエットに出来上がっている。
ちょうどアザラシが、水から頭を出したときのような感じである。
思い出したことですっかり嬉しくなり、運転しながら後ろを振り向きざまに、
「お母さん、今の姿、マトリョーシカに似てる!」と大きな声で言ってしまった。
隣のシートに座っていた従姉妹は、爆笑。
母は、「マトリョーシカって一体何よ?」といぶかしんでいる。
うちの母は、サングラスをかけているときは、一見「オノ・ヨーコ」風のおばあちゃんなのだが、スカーフをマチコ巻きにすると、マトリョーシカに変身できることを発見。
それにしても、良いお天気である。
青い空と富士山、湖畔の眺め、紅葉、女三人、ドライブをしながら
「何かすご~く、綺麗じゃない~、すごくいいよねぇ」と盛り上がった。
ふと亡くなった父が、空の上から、この姿を見ているかもしれないと感じた。
ホテルでは温泉に入った後に、夕食を、中華レストラン〝翠陽〟で食べることにした。
前菜の盛り合わせ
甲州地鶏とフカヒレおぼろスープ淡雪仕立て
こんにゃくシートの野菜5色巻き
ワインは、自宅から誕生日の時に頂いたイタリアの赤ワインを持ち込ませて貰った。
レストランで気を利かせてくれて、1時間前位にボトルを開けておいたらしい。
ほんの少しチョコレートの香りがする深みのあるカベルネで美味しい!
贈ってくれたIさんに心より感謝である。
翌朝、従姉妹がセットした目覚ましのピピピピっという大きな音でパっと目が覚めてしまった。
時計を見たら、まだ朝の6時である。
なんとも、リゾートでこの時間に目が覚めるとは....
しかし、その早起きにはご褒美があった。
朝焼けに染まる富士山を部屋の窓から見ることが出来た。
山中湖畔の上には霧もしくは雲?が漂い、とっても幻想的である。
山頂の雪の帽子は、朝日に染まって薄オレンジ色に見える。
しかし、1時間もたたないうちに、朝焼けは終わり、
白い世界が再び戻ってきた。
美しい~
by bandoh
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