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イタリアワインと創造性

知合いに金森さんという、とてもワイン通な方がいるのだけれど、ご自宅で開く「イタリアワイン・フェスタ」に招かれてしまった。にこっ

やっぱり通なだけあって、ワインの選び方がうまい。オッケー
泡物から始まり→白→赤と流れは普通だけれど、
赤についてはスーパートスカーナと呼ばれているワインに的を絞っている。
こういう風にテーマを決めて選ぶと、ワインの味比べが面白くなり、楽しさが増すと実感。むむっ



でも自宅でパーティを開いたときに、イタリアワインをこんな風に選んで準備できるって、そもそもどれくらい保有しているんだろうか?
それにワイン通ということは、フランスのワインだって、沢山持っているはずだし。
と興味が湧いてしまった。

そこで、思わず
「一体、どんな風にワインを保管しているんですか?」と質問してみると、

「自宅に数百本、エノテカの倉庫に500本預けているんですよ」とおっしゃる。

さらに
「エノテカの仕組みって便利でね、届けてもらうように手配すると、そのまま自宅に届けて貰えるし、売ろうと思えばその倉庫からそのまま出荷できるんですよ」

「へぇ~そんな風に保管する手があったのか」と内心感心してしまった。
そして思わず、心の中で私もそんな風にワインを沢山持ってみたいなぁ、、とちょっと思う。

ところで、話しはスーパートスカーナのワインに戻るけれど、
そもそもスーパートスカーナというワインがあること自体、イタリアに住む人たちを象徴しているようで面白いと思う。

イタリアって、とても保守的な面と創造的な面を合わせもっている国だと思う。

例えば、石を使った建築なので、イタリアに限らずヨーロッパの国の多くはそうなんだろうけれど、街の中に古代の遺跡があったり中世からの建物がしっかりと存在する。そして街並み自体も昔と変わらない場所も多い。
そういう日常的な景観を通して、歴史や建築の壮麗さに触れて育つ人間は歴史に誇りを持つし、ある意味それを"守ろう"とする側面が強くなるのだろうと思う。

さらにその守る影響は料理に関しても及ぶのか、イタリアは料理も保守的で、日本のように各国料理のお店が沢山あるなんてこともない。
地元にある素材で、年寄りも若い人も子供もみ~んな、昔ながらの地域のお料理を楽しんでいる。(飽きないのかね?)

けれども、そんな保守的な側面とは逆に、グッチ、フェラガモ、ドルガバなど世界のファッションをリードするブランドがあり、モダンでハイクォリティな家具を作るなど、創造的で斬新なイメージもある。

さてワインについてですけれど、
イタリアを始めヨーロッパのワイン法では、格付けされるために、歴史的にその場所で栽培されていたぶどう品種を使うように基本的には定められている。
そもそも、ニューワールドのワインと違い、長~い歴史と伝統がありますし。
(大体、世界にワイン作りを広めた国はイタリアである。古代ローマのガリア地域などへの遠征に伴い、ローマ軍の兵士達が傘下となった地域にぶどうの木を植えてワイン作りを行ったといわれている。)

しかし、トスカーナの作り手たちは、国で定められたものを無視して、フランス・ボルドー原産のカベルネ・ソーヴィニヨンなどの品種を植えて、単独もしくはサンジョベーゼとブレンドして、とっても良品質なワインを作り出してしまった。それが世界的に注目されて、"スーパー・トスカーナ"と呼ばれて、格付けを超えて大人気となる。

また、同じくトスカーナのキヤンティでは、赤ワインに白ぶどうを混ぜて醸造することが義務付けられていたけれど、やはり同じように反発する生産者がサンジョベーゼ100%の赤ワインを作ってしまい、それが評価を得て今では"スーパートスカーナ"に含まれている。

そしてここがなんともゆるい部分でいい感じなんだけれど、
日本でも有名な"サッシカイア"などのワインは、成功を後追いする形で、イタリアでは格付けである「DOC」に認定してしまって、フランスなどの国から"エッ?"と驚かれていたりする。

古代ローマの歴史を振り返っても、この国の人たちは、ロジックや法律を重視するけれど、解放性が高く、いい意味で「寛容」である。
いい国だなぁ~。

そうやって考えてみると、
保守的であることで、ある種押える力が働くので、探究心が強く意欲的な人ほど、それに反発する部分が掻き立てられると思う。
反発するエネルギーは強いので、いいものを創ろうという意欲をさらに高めることになると思う。
だから、創造的で新しいものが出来上がるのもしれない。

そう、自分を振り返ってもそうだった。むむっ
やっちゃいけないと云われると、益々やりたくなる。

今、私にもう仕事なんてしてはいけない、やめなさいと強制する人が身近にいたら、もっとバリバリ仕事をしているのだろうか(笑)





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