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紅葉と行事好き

11月の第2週の週末は、7年前から始めたことがきっかけで、家族との紅葉旅行の日としている。

父が生きていた頃は、父と母と私の3人で出かけていた。
今年はそこに従姉妹二人と、姉が加わり女性5人の旅となった。



行事ごとは漏れなく慣行する母は、私と姉が子供の頃から誕生日に始まって
お節句、ひな祭り、七夕、お盆、お月見、クリスマス、大晦日とお正月をきっちり行い、そして何より供されるお料理作りとても張り切る。
特に大晦日とお正月のお料理には気合が入っていて、何日も前から準備に入る。
食材選びも、長年培った選択眼を通して、じっくり丁寧に行う。
ラストスパートに入りまなじりをあげて、せっせと大晦日とお正月料理に取り組んでいる母は気迫に満ちている。
こういう状態に入った母には、近寄って余計な口出しをしては決してならない。
トラの尾を踏むようなものである。必ず烈火のごとくの逆襲にあう。ぷんすかぎょがーん

しかし、より完成度の高い料理を毎年目指すがゆえのストレスは、
高齢になった今ではとてもきつく、毎年今回は作るのをやめようかと思ってしまうそうだ。
そんな話しを聞くと、高齢の母に無理をさせるのはいかにも切ない、、、。しくしく
「あ~もうそんな疲れることはやめて、今年は温泉でも行こうよ」と言いたくなるが、
なんとなく、この母の行事への取り組みを止めてはいけない気がする。
止めたら、ふっと気が抜けて、母が死んでしまったりするのではないかと思うからである。
現役時代バリバリに働いていた男性が、リタイアしたとたんガンが発病して死んでしまう話しは珍しくない。
いつか父と同様に母も死ぬ日が来るのは分かっているが、そんな日は永遠に来て欲しくないと願ってしまう。

母と亡くなった父は、寡黙な父とよくしゃべる母とで性格は全く違っていたが、食べることが好きな点は共通していた。
どこへ行くのも仲良くいつも一緒だった父と母。父は案外ちゃっかり姿を変えて、今年の紅葉旅行に参加していたのではなかろうか。


さてそんな行事好きの母に似たのは姉で、私はそれほど行事好きではないと思っていた。
旦那さんとの二人暮らしのせいか、豆まきも七夕も遠ざかったまま二人でやったこともない。

しかし、ふとわが身を振り返ると、
「夏の旅行」に加えて「紅葉旅行」、「年末のビジョン合宿」、「お花見」など、伝統的な行事ではないけれど、特定のイベントを継続して行い習慣化する傾向があるようだ。
そういう意味では、私も「母の子」なのだろう。
行事を絡めて美味しいもの食べて楽しむのが大好きなのだ。にかっ

ということで、今年の行き先は芦ノ湖と箱根である。
暑い夏で長く続いて、今年は駄目かもと思ったけれど、思ったよりもきちんと紅葉しているのが嬉しい。
箱根プリンスホテルの駐車場から芦ノ湖の遊歩道を歩くと、もみじに空が透けて見える。


福岡にお嫁に行った従姉妹は、この日を皆で楽しむために希少なフレンチ・ワインを持参
樹齢110年ほどの超古木から採れるぶどう(グルナッシュ)で、1本の木から1-3房しか実らないそう。
その極上ブドウを収穫直後、畑横にスタンバイした冷蔵庫で保存し、徹底的にぶどうの酸化を防ぐようにしているらしい。

わずか100ケースしか生産しないので、フランスでも入手困難なワインなのだそう。
生産者が大の親日家なので日本で限られたマーケットで限定的に販売しているらしい。ラベルも見ての通り、「日の丸」のデザインを意識している。

このワイン、個性的でした。
色はやや紫がかった赤でやや透明な感じ。
そして口に含むとスパイシーな、わずかにカルダモンのようなエキゾチックな香りがする。ブルーベリーにほんのわずかカルダモンをかけたような感じ。
タンニンが効いて渋みはあるけれど、かつスッキリと軽い飲み口なので、お肉にも刺身にもなんにでもあいそう。
私が過去に飲んだ中ではオーストラリアのシラーに近い気もする。
酸味が薄くまろやかな感じなので、日本人好みなテイストでは?と思ってしまった。
お料理を主役にすることを意識した作り手の意図を感じる。

さて、このワインを持ち込んで宿泊したホテル
「エクシブ箱根離宮」の和食レストラン「華暦」で食事を取った。
考えているとこの5人で夕食の席を囲むのは初めてのこと。

私が一番年下で、1歳上の従姉妹と3歳上の従姉妹、そして4歳上の最年長が私の姉である。
4人とも年齢が近く、子供の頃に家が近く一緒に育ったので、会えばお互いに遠慮のいらない関係である。
久しぶりの再会ではあっても、すぐに打ち解けて昔話しに花が咲く。

今回は従姉妹の一人の誕生日が近かったので、本人には内緒でシャンパンとケーキを用意してお祝いをした。
そういうお祝いごとも絡めると、共通の目的が生まれるためか一体感が高まり楽しさが倍増する。

「本人にビックリしてもらうから内緒ね」としていたのに、ややずれ気味な母は呑気に、
温泉から上がって「お酒は少し控えなきゃ」とつぶやくバースデーカールに向かって、「あ~ら、昌ちゃん、誕生日なんだから思いっきり飲んだっていいじゃない!」なんてのたまった。
秘密は苦手で何でも話してしまう母は健在。あうっ

しかし、この夜の「箱根離宮」の和食は、美味しかったハート
正直、エクシブの和食は、イマイチなケースが多く今まで敬遠していたけれど、「箱根離宮」は別、とても美味しい。
「旬の味覚盛り合わせ」帆立の紅葉合え、絹被ぎ、子持鮎甘露煮、唐炭大根、銀杏松葉串、栗渋皮煮、鯖鮨


特にコースの中で今回は、マツタケに対する「あら美味しい!」という声が沢山出たように思う。
マツタケの香りをとっても上手く引き出してきて、香りが抜群によい。
「干し貝柱スープ」松茸、鮑、冬瓜、鱶鰭、棒湯葉、短冊人参、針玉葱、酢橘


「甘鯛と松茸の奉書焼」
伊勢海老錦秋焼 九十蜜煮



その他
「カニ味噌豆腐」ずわい蟹、山葵、美味出汁
「刺身の四種盛り」生鮪、平目、車海老洗い、青利烏賊、生雲丹、大トロ刺身蒟蒻、あしらい
「秋野菜の煮物」海老芋、蕪、蛸柔らか煮、隠元、木の芽
「特選和牛ロースト」南京フラン、まこもたけ、フルーツトマト
「松茸ご飯」赤出汁、香の物
「デザート」


他のエクシブよりも、丁寧に美しく食材のベストの味を引き出し、かつひねった料理が多い。
しっかりとデザートまで食べて大満足。



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ビジターにとっては中華レストラン「翠陽」のカジュアルランチはねらい目。
3800円のコースでかなり満足できること間違いない。
一般のビジターでもランチの予約は取れる。
「三種前菜盛り合わせ」


前菜の「たこのコリアンダーソース和え」
うっすらコリアンダーの香りを感じるが、それほど香りも強すぎず癖がない。
バジルソースのコリアンダーバージョンという感じで、お酒のつまみにピッタリ。


「蟹肉と冬瓜入りふかひれスープ」


春巻きの皮が薄くて軽くてパリパリでかなり美味しい
「芝海老とオクラの炒め物と春巻き」


かにと海老などの蒸し餃子
「熱々飲茶三種」

白い陶器の器には温熱剤が仕込んであり、食欲をそそるホカホカの湯気が立つ中、熱々の餃子を食べることが出来る。


マコモ茸と、ルイビ豚など三種のお肉
マコモ茸が大好物な私は目がハートにハート


そして麺かマーボー豆腐を選んで食べて、デザートへ


美しい眺め、美味しい食事を楽しんで、
親子2代+従姉妹の女系家族は、箱根の温泉宿を満喫。
姉が選んで用意してくれたシャンパンで乾杯し、バースデーソングを歌い、ケーキを食べて盛り上がった。

楽しいことは恒例化したくなる。

特に季節性のあるもの、もしくは年末など節目に行うとよいものなどは、
楽しいことに加えて必然性が生まれるので、恒例化する確率が高まるのだと思う。
また恒例化している行事があると、1年のサイクルに変化と節目を作るので、気持ちを一新しやすい。
大事な人と集う楽しさもあいまって、面倒でも企画したくなるのだと思う。

楽しい体験を人と一緒に共有できるとは、なんと幸せなことだろうか。
自分ひとりで楽しむよりも、相手も楽しんで喜んでいるのを見ると、自分の楽しさは倍化する。

イベントは、企画する人が一番幸せなのかもしれない。


旅行 : 18:38 : comments (x) : trackback (x)
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