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やくざな国との付き合い方

尖閣諸島の中国漁船の衝突事件で、公務執行妨害で拘留中の船長を釈放した一連の出来事を見ていて、暗澹とした気持ちになってしまった。
本当にやっかいな国の隣に位置することの不運を感じる。

漁船船長の拘留に対する中国政府のスパイ容疑で邦人逮捕を含めた一連の、恫喝、恫喝そして恫喝の狂乱的な対応は、まともな先進国ではありえない。
石原都知事の意見を借りれば、本当に「暴力団、やくざ」そのもののような国である。

最近、すっかり金回りがよくなり、兵隊も資金も整い、自信をつけた辺境のやくざ集団が、中央支配に向けて、自分達のルールとやり方で、ごり押しできることを確信しているかのようである。

この強気な発言&脅しのやりくち、北朝鮮とソックリである。

ただし、北朝鮮の方が、"ならずもの国家"として国際社会が認識し連携して対応していること、
中国のように、切り札として他国をゆさぶる"マーケット"、"資源"、"軍事力"がない分、まだましか。

まぁ、もともと、国際社会なんて外交という国家間の政治の舞台に立てば、どこの国も皆紳士的な対応で正義を振りかざしているが、水面下では自分達のルールとやり方を通すための殴り合いをしている。
しかしそれでも、冷戦が終わり成熟した先進国で、中国のように領土拡大、覇権主義を堂々と推し進める国はないだろうと思う。

そして、急成長を続ける中国は、この先もその経済規模の大きさに見合った大国としての対応を取り成熟していくことはないと感じる。
逆に成長するに応じて、益々やくざなやり方でもって、自国の権益を主張し領土を拡大することにしか、その力を使わないだろうと思える。

今回の尖閣諸島沖で起きた事件は、私たちに教訓をもたらしている。
この失敗からどう学ぶかが大事であると思う。

資源を使った外交によって、他国との交渉に勝てると判断した中国が、益々その傾向を高めることは容易に想像できる。
資源を持たない商人国家の日本は、中国との二国間の交渉では所詮勝てるはずがない。

やくざな大国と付き合うには、インドを初めとした中国との間で国境間の問題を抱えている他のアジアの国と連携して、中国の無法なやり口を事前に封じ込める戦略を取る必要がある。
またやはりアメリカとの更なる同盟の強化も必要であると思う。同盟する味方は多ければ多いほどよいし情報も増える。
中国の覇権主義、軍備の増強、人権問題について、もっと国際社会に警鐘を鳴らす活動もしなくてはならないのではないかと思う。

中長期の視点がなければ、この問題は決して解決に向かって進むことはできないと思う。
こういったときに、民主主義の限界を感じる。どうしたって選挙の洗礼もあり、短期間で政府は顔ぶれが変わってしまうのだから。しょぼん
その点、一党独裁の中国は、中長期にわたる戦略をじっくり練れる時間と人材が揃う。だから政府間の交渉だって打つ手が違う。
(「独裁者」ではなく、「独裁集団、政権」であるがゆえ、国際的な批判も交わしやすいのだろうか?)

お願いだから、日本の政府は、こういった国益の問題については、政治の小競り合いを止めて、超党派のメンバーを作り戦略を練って貰いたい。
そして政府が選挙によって変わったとしても、その戦略には連続性をもたらして欲しい。
戦争起こせないんだから、こういうことに予算と知恵を使って、国益を守るシステムを固めて欲しいものである。










政治、社会 : 09:23 : comments (x) : trackback (x)
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