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「新しい日本を創るために!」竹中平蔵 東日本大震災復興チャリティに参加して



昨日、六本木のアカデミーヒルズで竹中平蔵さんと米倉誠一郎さんによる「東日本大震災の復興セミナー」に参加。

アカデミーヒルズで行われるセミナーには、毎回色々な職業の人たちが参加していますが、昨日のセミナーには、被災された方や、復興計画の中で大きく影響を受ける人たちが結構来ているなと感じました。
会津若松で旅館を経営している人、電力不足を非常に懸念している人など、質疑応答での真剣度や意識が違っていました。

竹中さんは、
今回の震災は地震、津波、原発事故の「複合連鎖危機」であり、"バリュー・オブ・ジャパン"の危機であるという。

実は日本では、過去210年の間に34回の被害地震(50人以上の死亡者が出る)を経験しているそう。

そしてその度ごとに、地域も日本も立ち上がってきているわけですが、もう一度今回の震災の事実を見直せば、原発の問題など色々と課題はあれど、過去の経験からの学びを生かし、多くの被害を防げていた面も多かったといえる。

例えば、
今回2万人以上の犠牲者が出るという惨事となるが、それでも多くの方々は助かっている。マグニチュード9.1のスマトラ沖の地震では、22万人もの人々が亡くなっている。

多くの人たちが助かった理由として、
・発生後3分後には津波警報が鳴り多くに人たちが避難した
・日頃行われていた防災訓練などの学習が生かされていた
・震度5,6でも、耐震構造により建物は壊れなかった。
・新幹線は何本も走っていたが、緊急停止したため幸い脱線事故は起こらなかった
・都市ガスはマイコンメーターが停止し、都心で火災は起こらなかった

などを竹中さんは述べていたが、確かに振り返れば多くの命がそれらで救われているのだろうと思う。

それで、やはり今後問題となるのは、
"私達は復興に向けて何をやるべきなのか?"である。

今回被災したものの多くは民間部門である。
被害を試算すると最大で25兆円といわれているが、うち公的なものは9兆円であるそう。

多くの被害を受けた民間部門を元気にしていくためには、「原理原則」に基き、きちんと今後の「構想」を持つことが必要である。
その「原理原則」とは、まず経済のファンダメンタルに基いて物事を決めるということである。
つまりそこに基けば、竹中さんは「不況の時に増税はすべきではない」という。

マクロ経済からみれば、不況の時に増税すれば、経済はもっと冷え込み停滞し復興が遅れる。
経団連が法人税引き下げについて主張を取り下げたのも大きな間違い。
こういう民間部門を活気づけなくてはいけないときこそ、世界で最も高い法人税を下げるべきであると主張している。

これは、現政府が作った「復興計画会議」で打ち出している増税論に真っ向から対立することになるが、
竹中さん曰く、そもそも政府の「復興計画会議」のメンバーに、マクロ経済がわかる人が一人もいないことは問題であると。

こう聴いていると、やはり本当に政府の「復興計画会議」は大丈夫なんだろうか....と思ってしまう。
結局、財務官僚のいいように、会議も仕切られて、引っ張られているのではないだろうかと心配になる。TVやネットで元財務官僚の高橋洋一さんも、増税なんかしなくても大丈夫と言い切っている。

でも人情として、こんな大変なことが起きて被災している人たちが一杯いるのだから、やはり私達も税金でお金を出さなくちゃいけないのではないだろうか...とつい思ってしまう自分もいる。→そこの心理を財務官僚につけこまれている?

しかしながら、実際減税してくれて復興もできるなら、そっちの方がずっとありがたいオッケー
国にお金を納めても、役人や天下り先に無駄に遣われるくらいなら、自分で消費して好きな民間企業にお金を使う方が、同じお金を払うのでもずっと気分がいい。
そう考えるとやっぱり小さい政府を目指して欲しいな。

そして、原理原則に基き、構想を持って復興するというその「構想の内容」だが、竹中さんは4つの目標を提示した。

①東北のエコタウン化
②東北の農業をTTPに対応できるようにする
③東北で新しい産業を創出する
④道州制の導入→権限委譲し具体的に東北地方に具体的なやり方を考えてもらう

私はこれら4つの目標に賛同する。
ただし、①から③については東北の人たちがどう考えるかということが大事なので押付けることはできないと思うけれど。

でも、①から③について実現可能だとすれば、世界中の人たちが羨むような夢のような地域を作ることができるかもしれない。
震災という大きな災難はこうむったけれど、やり方をうまくすれば、改めて素晴らしい地域づくりができるかもしれない。
そう考えると、東北の未来がとても明るく見える。

2011年の今年、日本は世界で最も支援を受けた国となった。
こんな風に未来を先取りし、手本となるような地域作りを実現することで、竹中さんが言うように、世界に恩返しすることが出来るのではないだろうか。
「私達は皆さんの支援を受けて、こんな風に素晴らしく立ち直ることができました」と。

しかし、一方では、日本の縦割り行政に阻まれて実現は難しいのではないだろうか、、、とため息もでる。
小泉さん以降、コロコロ変わる歴代首相、そして現在の首相の顔を思い浮かべると冷たいものが身体を走る。
一体どこにそんな構想を実現できるリーダーシップを持った人がいるのだろうかと。

そう頭の中で思いを巡らせていたとき、
会津若松から来られた旅館経営者の質問に対する竹中さんの答えに、一縷の望みを感じてしまった。

旅館の経営者が不安そうに、「自分達は戻るのか、戻れないのか、これからどうなっていくのか、、、今後、国は何をしてくれるのでしょう?」と質問した時、

竹中さんは「国がやってくれるという発想を変えて下さい。これはチャンスです。戻ったら首長の方に伝えて下さい。私達に道州制をやらせてくれ!と国に訴えるようにと。東北の首長全員が連携して主張すれば国を動かせます」とあざやかに答えた。

そういえば、地方分権は自民党時代から検討され、実際にコンセンサスもまとまりつつあり、その工程プランも作られていたはず。

今回の件がきっかけとなり、道州制がパーシャルで進むようになるかもしれない。
それは、今後日本の地域に住む人たちの活力を生み出すことになると思うし、日本の経済を地域から発展させる一つのモデルとなる可能性を持っていると思う。

こういうことをテーマに、TVでも東北の首長を全員よんで、討論をすればいいのにと思いました。

まさに東北の復興を通して、日本が新しく生まれ変わっていくことを心より願っています!





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