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鳥羽から奈良へ 3日目

伊勢について3日目の朝、ラウンジで朝食をとる。
本日も天気が良い。太陽
F女は目ざとく母のターコイズのブレスを見つけ、
「お母さん、素敵ですね!」と褒めてくれる。


F女はぜひ"鳥羽国際ホテル"に立ち寄ってから、鳥羽を出たほうがいいと言う。

昨晩鳥羽の町で食事をした他の3人は、食事後、Y女史の案内で、眺望が素晴らしいという彼女のお気に入りのホテルに行ったそうだ。
ただし残念なことに、日もトップリと暮れた後だったので、肝心の眺望は見えなかったらしい。

「鳥羽国際ホテル」に到着してみると、お奨めした理由がよく分かりました。
立地が良いため、本当に眺望が素晴らしい!

みな、身を乗り出して左側サイドの鳥羽の海の景色に見入っている。


右側サイドをみれば、鳥羽の港と町も見えます。


つまり、ラウンジの広がった窓から、広がる鳥羽の海と町の両方が見える。


表のデッキに出てみると、更に景色がうーんと広がって見える。


天気もよくて暖かく、ここでコーヒーを飲んでしばらく鳥羽の景色を堪能。
次回来るときには、この鳥羽国際ホテルのオーシャンウィングに泊まるのもいいなぁ...。


鳥羽10:36発の近鉄特急に乗って奈良へ。電車
ただし、途中「大和西大寺」の駅で、乗り換える必要があるのですが、
チケットを見ると乗り換え時間が1分しかない...。がーん

車掌さんに確認すると、乗り換えの電車はホームが違うので、
階段を上って高架の橋を渡らなくてはならない。
とりあえず、私が自分と母のスーツケースを持ちダッシュ。ダッシュ
その後に母がついてくる。ダッシュ
そういえば、2年前のローマのテルミニ駅で、フィレンツェ行きの特急に乗るのに、同じようにして母と走ったことがある。

あの時も間に合ったが、今回も何とか間に合った。むむっ
やれやれ....

しかし、奈良までいく電車に乗っていて
とても興味深いのは、近鉄線が「平城宮跡」の中を横切っていることである。
高架もかけられないし、地下も掘れないだろうから致し方ないのだろう。
クリックして図を開いてもらえば、どう横切っているかが分かる。

電車に乗って窓の外をみると、
遷都1300年で復元された「第一次大極殿正殿」などが見えてくる。

ボックス2太陽ボックス2太陽ボックス2太陽ボックス2太陽ボックス2太陽ボックス2太陽


奈良駅では、MKの運転手さんが出迎えてくれていた。
森村展夫さんという上品なおじいさんである。
実は森村さんに観光をお願いするのは、京都も入れると今回で3回目となる。

さて、その森村さんの案内で、まずは「唐招提寺」へ


唐招提寺は南都六宗の一つである「律宗」の総本山です。

幾たびかの苦しい航海を経て、
日本に仏教者に戒律を授ける「導師」として招聘された鑑真大和上は、
759年に戒律を学ぶ人たちのための修行の道場を開きました。
それが「唐招提寺」の始まりで、当時は「唐律招提」と名づけられ鑑真和上の私寺でした。

当時はきちんと「戒律」が整備されていなかったので、
勝手に出家得度する人とか、グチャグチャして困ったことになっていたのでしょう。

5回目の渡航で弟子に死なれ、自らは失明してしまい、
6回目の渡航でようやく日本に辿り着けたとき、鑑真和上は既に66歳。
ものすごく深い信仰心と意志の強さがなければ、できないことだなぁ...と感じいる。

手前:金堂、左:講堂 右:鼓楼(仏舎利が納められている)


ちなみに、中国の主席などの要人は、来日すると必ず唐招提寺に来られるそうです。
共産主義ゆえに拝んだりはしないのかもしれないが。

「金堂」の前で母と記念撮影
金堂には、本尊の「乾漆の盧舎那仏(るしゃなぶつ)」、「薬師如来」、「先手観音」などがある。
「先手観音」はかなりインパクトがあり、目を奪われてしまう。


この日の奈良は、初夏のようにお天気がよく暖かく、桜がまた綺麗...


そして、次は「薬師寺」へ
薬師寺は法相宗のお寺で、檀家を持たないお寺である。
(お参りする人には行事への参加や自宅での、「写経をお奨め」していますが、写経による寄進によって建物が復興されています)

ここは、薬師寺に入る手前にある「薬師寺休丘八幡宮」である


明治維新で、廃仏毀釈が行われるまで日本の神社とお寺は一体だった。
という訳で、薬師寺にも鎮守として神社があるとのこと。


ちょっと「へぇ~」って感じなお話しであるが、
もともと、神社とお寺が一体だったというのは、両宗教間の対立を避けたのか、わりと左脳的説明というか説法のある仏教が広まったことで、天皇が神社の位置付けを明確にしたかったのか、何かあったのかもしれませんね。
実は、明治の廃仏毀釈以降で寺院が神社を管理するという形態が残っているというのは非常に数が少ないそうだ。
薬師寺別当の栄紹法師が僧形八幡神、神功皇后、仲津姫命を勧請したのが始まりのようである。

さていよいよ「薬師寺」の伽藍へ
写真は薬師寺の「東塔」(とうとう)(国宝)である。


薬師寺は飛鳥にあり、710年平城遷都で現在の地に移ってきたといわれている。
建立当時は、「龍宮造り」と称えられるほど華麗な伽藍を誇っていたそうだが、
度重なる消失で当時から現存しているのは、上記の写真の「東塔」だけである。

玄奘塔は始祖・玄奘三蔵(西遊記でおなじみの実在の僧侶、三蔵法師)の舎利(遺骨)を納めている。
また法相宗は2つ大本山があり、もう1つは興福寺である。

森村さんの説明が面白い。
薬師寺の塔は、一番高い「東寺の五重塔」や、一番古い「法隆寺の五重塔」のように、データによるはっきりした一番がないのですが、薬師寺のお坊さんは「日本で一番美しいのが薬師寺の塔です」というそうである。
やっぱり「一番」と回答できるのは誇りだし、言われたほうも記憶に残りますよね。

金堂」では、
「花会式」(はなえしき)修二会(しゅにえ)とよばれる薬師寺で一番大きな行事が行われている最中で、法要が執り行われていました。
修ニ会とは奈良の大寺が国家の繁栄と五穀豊穣、万民豊楽などを祈る春の行事だそうです。
900年以前、時の堀河天皇が工房の病気平癒を薬師如来に祈り、霊験を得て回復した御礼として、三尊に造花を供えたのが「花会式」のはじまりとされています。



金堂前に設置されたスピーカーから、
朗々と力強く「薬師悔過法要」のお経をあげる声が流れている。むむっ
「金堂」の中を見れば、10名のお坊さんが声をあわせてお経をあげている。
時に大きく声をはりあげたり、節回しに変化のある独特の読経で迫力満点である。

ご本尊には、10種1700本の手作りの造花が宝物が供えられていて、にぎにぎしく色鮮やかである。
花弁は和紙を使い薬効効果のある草木で染色するなど、寺にゆかりの深い農家で、昔ながらの方法で丁寧に作られるそうです。

梅、桃桜、山吹、椿、牡丹、藤、百合、杜若、菊の造花はどれも精緻で生花の美しさや生命感を表現しつつ、薬師如来の須弥壇(しゃみだん)の荘厳具として、王朝の雅を表現しています。
その鮮やかな色を見て、ふとタイのロイカトンのお祭りを思い出してしまった。

そして「大宝蔵殿」では特別公開が行われていたので、母と二人で鑑賞することに。
奈良時代のお坊さんの筆による般若心教などの書が展示されているのだけれど、その字がとても力強く美しい。
しかも、当時は皆巻紙のまま"立ったまま〟書いていたそうなので、驚きである。ぎょ

さて、薬師寺の次は、「東大寺」へと移動した。
桜の季節もあり、市中へ向かう道はとても混んでいる。

車の中で母の修学旅行の話しを聴いた。

母が、就学旅行で京都、奈良、伊勢を訪れた60年前は、戦後の物資の少ない時期で、
学生はそれぞれみな決められた量のお米を持って出かけたそうだ。
14日間という初めての長期旅行の準備で荷物がかさんでしまい、
母は両親から赤い金属製のトランクを買ってもらい、その中に着替えとお米を詰めたらしい。

かなり昔のことゆえ、すっかり奈良の旅の詳細は思い出せないらしいが、
「若草山」近くの旅館に泊まり、皆で手を繋いで若草山に昇ったことを今でも憶えているそうだ。

現存する最大規模の木造建築の「東大寺」



伽藍(がらん)を進んでいくと、金堂の周辺は外人観光客も多く、かなり混雑している。


大仏殿の金堂に近づくにつれ、その大きさに圧倒される。
焼失のための過去の建て替えの度ごとに規模が小さくなっているとはいえ、とてつもない大きさである。
後ろにいる外国人の "So beautiful...."と感嘆をもらす声が聞こえてきたが、まさに同感。

奈良のお寺では、京都と違い写真のように「灯明」が必ず中央に存在する。
京都は左右に灯明があるそうだ。
奈良では仏様を照らすという意味で、中央に置くことになっているらしい。

巨大な「奈良の大仏」片方の手には大人が9人くらい乗れるとのこと。


大仏の右にある「多聞天」


二月堂に向かう途中、鹿におせんべいをあげたら、
ワラワラとよってきて、ちょっと怖かった...


東大寺の「二月堂」京都の清水寺と同じ作りになっている。


奈良公園の「鷲池の浮見堂」桜が咲いていて風雅な感じ


猿沢池から「興福寺の五重塔」を眺める


3日間、本当に楽しい旅でした。



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